5年い組の問題児は馬鹿ではあれど、鈍感ではないようです【忍たま乱太郎】

唐突なのは困ります。 ページ28

　つ………つかれたぁ………。


　歩くごとに骨の節々が悲鳴を上げている。



　あの後、三之助がいなくなっていたのだ。
私と滝夜叉丸で必死に走り回って見つけたけど……。



　しかも、七松先輩なんか猪と戦い出すし……。
　そしたら、私も助太刀するしかないでしょ！？


　まぁ、おかげで今日の晩ごはんは猪鍋定食だったし!!
金吾に念願の猪鍋を食べさせることができたのだし！
　それに…、何か、大切なものを掴めた気がするから。



　私はめちゃくちゃ満足だ！
　



　……なんて自分の世界に浸っていたので、前を見ていなかった。


　『わっ』



　前方から来た誰かに、軽く肩がぶつかりうしろむきによろけてしまう。


　「おっと！……大丈夫?Aちゃん」


　『あっ……ごめんなさい、伊作先輩』


　救急箱を片手に抱えた伊作先輩だ。
　先輩は、いつも通り人の良い笑みを浮かべてかぶりをふった。



　「ううん。大丈夫だよ……それより」


　眉をひそめて、こちらにかがむ。
　伊作先輩の骨ばった指がそっと頬に触れて唇をなぞる。


　「血が……」



　

私だって照れるんです。→←覚悟を決める。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す