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数日前。
確か、伊作くんに怒られた直後、数馬くんがお茶とお菓子を振る舞ってくれていた時かな。
『ありがとう数馬くんっ……！傷ついた心に染みる美味しさだよ』
「いや……伊作先輩が怒るのはあなた自身を心配しているからなんですからね？」
その辺分かってます？と伊作くんの肩をもたれたので、首を竦めて返した。
まあ、それは分かっていますがね。
『ん！このお菓子美味しい！』
会話の方向を転換するため口にしたお菓子に、思わず頬を緩ませる。
餡の柔らかな甘さの後に、柚子の爽やかな香りが鼻に抜ける。
数馬くんは「あぁ」と，なんだか嬉しそうに頷いた。
「これは藤内が……」
『とーない？』
むぐむぐと咀嚼しながら、これはお店の名前かなと聞き返すと
はっと気づいたように首を振った。
「いえ。藤内は友達の名前でして。僕と同室の浦風藤内です」
『ほう、数馬くんのお友達？』
「はい…」
そう頷く数馬くんの顔に、ちょっとだけ寂しげな影がさす。
これは……、触れてはいけないやつか？
注意深く彼を見つめていると、数馬くんは視線に気がついたのか口角を上げてひらひらと手を振った。
「あっ、すみません。こんな顔してちゃ勘違いさせてしまいますね。
違うんです。僕たちは今、不仲だとか喧嘩中だとかそんなことはありませんから！
―――ただ、」
一度言葉を切って、続く言葉を探すように目線を彷徨わせる。
細められた目が優しくて、悲しげだ。
「藤内やみんな―――、孫兵や作兵衛、左門に三之助もいたらもっと楽しいなって」
『お友達？』
「はい、友達です。……みんな、Aさんがどんな人か知らないだけなのに」
そう言って、眉尻が下がる困ったような微笑を浮かべた。
『…かわいいっ！！』
私は数馬くんの腕を引き寄せて、抱き締めた。小さな頭を身体に押し付ける。
「わー！？Aさん！？」
『スキンシップだよ、数馬くん！』
「わ、ちょっと！あはははっ！くすぐらないで下さい！」
去り行く気配に、眼を細める。……戸の外に、誰かが居た。
殺気は感じなかった。殺気というよりも……警戒と心配？
私は閉まったままの障子戸から目を逸らして、にこりと口角をあげた。
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凛(プロフ) - 更新待ってます！ (4月21日 0時) (
レス) @page42 id: c045f3c206 (このIDを非表示/違反報告)
ほまりあ - めっちゃくちゃ面白いです！！更新頑張ってください！応援してます！ (12月13日 17時) (レス) @page40 id: c2cc9f3cdb (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - らびさん» あぁあぁ…………！！私はなんて罪深いことを…！！すみません、レスが遅れました！！！これからもお待ちいただけると幸いです〜！！！コメント有難うございます！！ (11月26日 21時) (レス) id: 17751e89f9 (このIDを非表示/違反報告)
らび(プロフ) - どうしよう、Sな伊作にハマりそうです😭とっても素敵♡ (11月12日 17時) (レス) @page28 id: a37f698238 (このIDを非表示/違反報告)
忍たま好き(プロフ) - 終わりなんですか？ (11月4日 17時) (レス) @page39 id: 6c4f449978 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜 | 作成日時：2023年3月5日 0時
