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息を飲む音がした。歓喜や期待を込めた、喜びの息を飲む音だ。
伊作くんや少年二人。きっとそれだけじゃない。大人方もだ。
「鉢屋三郎、不破雷蔵、尾浜勘衛門の三名の退学処分、
そして自部屋謹慎をを取り消す」
う、と呻き声のようなものが背後から聞こえる。
少年二人が、溢れだした安堵で顔を歪めながらお互いを見つめ合っていた。
「よかった……」
「ほんとに……また、五人で………」
私はそれを、何か眩しいを見つめるようにそれをみていた。
温かいような、微笑ましいような、どことなく寂しいような。そんな、ひどく優しい気持ちで。
不意に、肩に手が置かれた。
振り向くと、柔らかな笑みを湛えた伊作くんがこっちを見ている。
「ありがとう、Aさん」
私は、自分に出来る最大限の不敵な笑みを浮かべて見せる。
『ううん、自分のやりたいことをやっただけだからね』
私は見逃さなかったよ、伊作くん。
君の目の端が、ちょっとだけ赤くなっていたことを。
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凛(プロフ) - 更新待ってます! (4月21日 0時) (レス) @page42 id: c045f3c206 (このIDを非表示/違反報告)
ほまりあ - めっちゃくちゃ面白いです!!更新頑張ってください!応援してます! (12月13日 17時) (レス) @page40 id: c2cc9f3cdb (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - らびさん» あぁあぁ…………!!私はなんて罪深いことを…!!すみません、レスが遅れました!!!これからもお待ちいただけると幸いです〜!!!コメント有難うございます!! (11月26日 21時) (レス) id: 17751e89f9 (このIDを非表示/違反報告)
らび(プロフ) - どうしよう、Sな伊作にハマりそうです😭とっても素敵♡ (11月12日 17時) (レス) @page28 id: a37f698238 (このIDを非表示/違反報告)
忍たま好き(プロフ) - 終わりなんですか? (11月4日 17時) (レス) @page39 id: 6c4f449978 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜 | 作成日時:2023年3月5日 0時