今回の天女様は特に取り扱い注意らしいです 暁の章 【忍たま】

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久々知兵助side





　天女様が目覚めたときいた。



　ずっと待ちわびていた瞬間だったはずなのに、
きいた瞬間胸が安堵と、絶望にも似た不穏な感情で満たされていた。



　隣にいる八左衛門の顔も、一瞬ではりつめた緊張に塗り変わる。
いってもたってもいられる訳もなく、俺達は部屋を飛び出した。




　天女様は、ちょうど部屋を出たところだった。



　『大丈夫だって！！ほんとは肩を貸されるのだって遠慮しておきたいんだから。
　さっきも言ったけど、大きな怪我をすること自体初めてじゃないんだってば！』




　伊作先輩と、肩を貸すかおぶわれるかどうかで口論していたようだ。
　その溌剌とした話ぐさや様子に、安堵が少しだけ大きく膨らんだ。
　そんな天女様に、伊作先輩は聞かせるために用意したような溜め息を残した。
　



　「……何。意識してるの？」


　『なっ……！？』


　「ふぅん、照れてるんだ」


　『違う、そんなんじゃない！！！！』




　真っ赤な顔をして噛みついた天女様の身体が、ふわりと持ち上がる。
　伊作先輩が天女様の身体を掬い上げるようにして持ち上げたのだ。
彼女は観念したように脱力した。




　再び顔を上げたとき、此方と目があった。
　天女様はちょいちょいっと伊作先輩をつつくと、此方を指差す。





　びくり、と身体が強ばり喉がひきつったせいで、声を出すのが一瞬遅れた。
伊作先輩に横抱きにされた天女様が、此方に歩いてくる。

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