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これ以上顔を見られたくなくて北斗を抱きしめて顔を見せないようにする。
すると北斗は背中をぽんぽんしてくれて
｢A？｣
ってこれ以上ないってくらい優しい声で私の名前を呼ぶんだ。
私が何も返さないでいると
｢そのままの体制でいいから聞いて。｣
って低い心地いい声で呟く。
｢俺は、Aが面白くない人間だとは思ってないよ｣
｢…｣
｢付き合って満足とも思ってない。｣
ちょっと、なんか泣きそう。
｢むしろ付き合ってるのになんか夢の中にいる感じで…｣
その感覚は私も一緒。
きっと、お互いが"これで良かったのかな"と思いながら幸せを感じているからだろう。
｢…俺も怖いよ。どんどん好きになっていくしAだけになっていってる自分も怖い。｣
｢うん、｣
｢そんなAに呆れられるのも怖い。｣
あぁ、北斗も私と同じ気持ちなんだ。
見えない闇に彷徨って彷徨って必死に手を掴もうとしてるんだ。
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作者名：やま x他1人 | 作成日時：2019年6月23日 0時
