依存症。 (ページ19)

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"君が思い出す僕は君を愛しているだろうか" ページ19

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俺がAを無理矢理ドームに来させた時、
Aは｢デビュー決定おめでとう！｣と一言LINEをくれた。
その後会いたかったけど記者会見とかで忙しかったからその日は会わなかった。

…あれからね、Aはすっごい気に入ったのか
俺のグループからはジェシーと京本が出てたグループ混ぜこぜメドレー？で歌ってたV6の曲をずっと歌ってるの。

気付いたら歌っちゃってる、みたいな(笑)

今もソファで携帯しながら口ずさんでて。

｢A、それ飽きないの？(笑)｣
｢それ？｣
｢歌｣
｢あー…あれ？今歌ってた？もう一種の呪いだよね(笑)｣

そう言って携帯を閉じてソファの空いてるところをぽんぽんするから何も言わずにそこへ座る。

｢君の声が～きみの手きみーのにおい～｣
｢ん…？｣
｢北斗の声は特徴的だから印象残るし手は…｣

って言いながらAは俺の手を持ってマジマジと見る。

｢ゴツゴツしてる…。けど長くて綺麗だね。｣
｢そう？｣
｢うん。…匂いはー、出会った時は香水のイメージあったけど今はもう家ばっかだから石鹸とか柔軟剤とか自然な匂いがする。｣
｢…香水つけた方がいい？｣
｢いや、いいよ。この匂いすっごい好きだもん。｣
｢ありがと。｣

｢でも匂いってさ、匂いをかいでその人だったり記憶が蘇るけどその"匂い"を思い出そうとしても
"いい匂いだった"とか"柑橘系だった"とか
そういう感想しか覚えてなくて悲しいよね…。｣

そう言うとAは寄っかかってきて顔を俺のTシャツにうずめる。

｢今こうやって北斗の匂いかいだって会わなかったら忘れちゃう…匂いをかいだら泣きたくなるくらい一瞬で蘇るのに…。｣

｢A…？｣

なんで、そんな事言うの…？

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