5 ページ6
・
それからBARに行くのは少し気が引けたけど楽しい話し相手ができたと思って通った。
彼がハマっているという人形浄瑠璃の話から服の話、最近あった面白い話、私達はお互いの過去を知るように沢山話した。
彼はやっぱり撮影やらなんやらで忙しくしてて時々しか会えなかったけど。
…けど、会う度に彼の瞳の温度が変わっていることは嫌でも気付いた。
そして彼の事は私が目を向けなかっただけで
本屋さんに行っていつもは素通りする雑誌コーナーを見れば普通に笑ってる彼がいたし
寝る前にYouTubeを開けばおすすめ欄のサムネに小さく写ってる彼もいて
デビューしてないとはいえこんなに有名なんだ…と少しガッカリした。
……ガッカリ？有名人と仲良くなっちゃったー！っていつもの私なら言うのに。
そんな違和感に気づかないフリしながら。
今日もいそいそと足を運ぶ。
扉を開けるとコウヘイさんは私を確認して
｢こんばんは、今日はいるよ｣とカウンターに案内した。
初めて会った時と同じカウンター席が私たちの定位置となっていた。
久しぶりに見る彼は｢こんばんは。｣と私を見て笑った。
｢＿＿＿アバウトタイム？俺もそれ好き。｣
｢タイムトラベル出来たら楽しそうだよね｣
最近私が観た映画の話で盛り上がる。
｢Aはやり直したい事とかあるの？｣
｢えーそりゃあるでしょうよ。恥ずかしい事とか全部回避したいし。松村さんは？｣
｢うーん、なんだろ。…って言うか俺はAなのにAは松村さん？他の呼び方決めない？それと、｣
何だか面倒臭い事まで言ってきそうな彼を遮る。
｢何？ひとつ決める度に服を1枚脱げばいい？｣
私がアバウトタイムに出てきたヒロイン、メアリーのセリフを言えば主人公のティムにはなれそうにない彼が慌てたように、でも嬉しそうに言う。
｢この場合俺はパンティを脱げ！って君を追いかけなきゃなんだろうけど生憎それは出来ない。｣
｢あいにく、なんだ(笑)｣
｢あのなぁ｣
私が揚げ足をとると困った顔して笑う。
かわいい。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
やま(プロフ) - まどかさん» 返信遅くなってしまい申し訳ございません！！！コメントありがとうございます！！(泣)そう言って頂けて本当に嬉しいです！意外と奥深いので読んでみてください！笑 (2020年5月13日 22時) (
レス) id: 40277ec184 (このIDを非表示/違反報告)
まどか(プロフ) - 読んでて凄く心が動かされました！源氏物語また今度見てみます！ (2020年4月20日 1時) (レス) id: c558c0fdfb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：やま | 作成日時：2019年6月19日 1時
