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｢あとはどういうのが好きなの？｣
｢えーなんでしょう。…源氏物語の空蝉とか、って昔のやつは置いとくとー、うん。色々です(笑)｣
｢そっか(笑)その空蝉ってやつは昔授業で少しやった気がするよ。源氏の君が恋した空蝉の元へ行こうとするけど、それを知った空蝉は衣一枚と残り香だけ残して逃げるっていう…｣
｢そう、それです。…私、空蝉はずるい女だって思います。｣
｢どうして？｣
｢…恋はいつか終わるんです。ずっと一緒にいて飽きれられて捨てられるくらいなら、手に入らない…死ぬまで忘れられない女になりたい。空蝉は源氏の中で忘れられない人になったんです。｣
｢…貴女は永遠を夢見たことがある……？｣
｢……万葉集では、恋は孤独に悲しむと書きました。｣
｢…。｣
｢永遠って、なんでしょうね。｣
そう言うと彼は自分の事のように苦しそうな顔をした。
あぁ、優しい人だな。と思うと同時に良い意味でも悪い意味でも周りにのまれやすいタイプなんだな。とも思った。
それは芯がないとか自分を持っていないとかそういう事じゃなくて
自分は関係ありませんよって顔してるのにおちゃらけた人が笑いの渦に誘ったらすぐに巻き込まれたり
小説や映画を見たらそれに引き摺られたり…。
悪が近付いたらそれと真剣に向き合って、結果閉じこもってしまう。
だから、だからこそ貴方が今芽生えはじめた感情は一時のものだと、最初とは少し違う貴方の熱の瞳を否定したくなった。
貴方の世界にはたまたまいなかった人種だったから少し興味持っただけだよねって。
｢…今日は来て良かったです。｣
｢あまりここには？｣
｢最近は仕事で来れてなかったんですけど｣
｢あぁ、お仕事…あ、そう言えば名乗ってなかったですよね。Aと申します。貴方は？｣
そう聞くと少し驚いた顔をした。
私が首を傾げると"いえ、そうですよね"と小さく笑った。
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やま(プロフ) - まどかさん» 返信遅くなってしまい申し訳ございません！！！コメントありがとうございます！！(泣)そう言って頂けて本当に嬉しいです！意外と奥深いので読んでみてください！笑 (2020年5月13日 22時) (
レス) id: 40277ec184 (このIDを非表示/違反報告)
まどか(プロフ) - 読んでて凄く心が動かされました！源氏物語また今度見てみます！ (2020年4月20日 1時) (レス) id: c558c0fdfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やま | 作成日時：2019年6月19日 1時
