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躊躇いながら扉を開けると
コウヘイさんは笑って｢久しぶり｣って声を掛けてくれた。
いつもの席に座って二つ隣の空いた席を無意識に見ると
｢あいつも同じことしてるよ｣って寂しそうに笑った。
私の仕事の事だったりとか2ヶ月間何してたんだとかとにかく私のことを聞きまくってやいやいうるさかったのに急に黙ってしまって、
多分今日呼ばれたのはその事なんだろうなって、
コウヘイさんはやけにそういう所アホみたいに優しいから私が聞いてあげるんだ。
｢北斗は元気？｣
｢…ん？あぁ、元気だよ。…俺と話してる時はな。｣
｢どういう事？｣
私が首を傾げるとコウヘイさんは詳しく話してくれる。
｢いつもの様にカウンター席に座るんだ。だから俺も話し掛けるんだけど、その時はね、本当に楽しそうに話してくれるんだけど｣
｢…うん。｣
｢俺もいつも北斗の相手出来るわけじゃないし、
他のお客さんの所から戻ってきた時にちらっと北斗の方見るとすっごい考え込んでたり寂しそうな顔してたりしてて、なんて言うか、Aちゃんにとってはもう2ヶ月かもしれないけど北斗とか俺にとってはまだ2ヶ月なんだってくらい時間が長く感じて、｣
｢見るに堪えないって事か｣
｢そう、｣
｢……でも私がなにかする事でも｣
｢一回だけ、あいつと話してやって欲しい。｣
｢…。｣
｢俺は付き合って欲しいとかそんなんじゃなくてあいつの想いとAちゃんの本当の想いをお互いが知るべきなんじゃないかって。｣
｢でもさ、｣
｢そんな難しく考えなくていいんじゃないか？一緒にいたいって気持ちだけじゃダメなの？｣
｢……｣
｢俺にとったらAちゃん達はまだまだ子供だし、たまには大人ぶるのやめたら？｣
その時、お店のドアが開いた。
今は開店時間だしいつも気にせず話してるんだけど
コウヘイさんがドアの方を真っ直ぐ見てるから私もつられてドアの方に目をやったんだ。
｢遅かったな、北斗｣
そうやって普通の顔して言うコウヘイさんに
｢コウヘイさんさ、誕生日こんなに暑い日だったの？だからそんなにお節介焼くの？｣
って悪態つくと"そうかもな"って小さく笑った。
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やま(プロフ) - まどかさん» 返信遅くなってしまい申し訳ございません！！！コメントありがとうございます！！(泣)そう言って頂けて本当に嬉しいです！意外と奥深いので読んでみてください！笑 (2020年5月13日 22時) (
レス) id: 40277ec184 (このIDを非表示/違反報告)
まどか(プロフ) - 読んでて凄く心が動かされました！源氏物語また今度見てみます！ (2020年4月20日 1時) (レス) id: c558c0fdfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やま | 作成日時：2019年6月19日 1時
