現実逃避と共に (ページ14)

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TV放映のはなし@wtnb ページ14

1月20日 20:25 Aから連絡が届いた。″こうちゃんがテレビ出るの今日だよね？″俺はそれに対して「うん」と送る。20:30から俺が出演した戦国武将スペシャルがある。それをAに見てもらえるのは嬉しいような恥ずかしいような戸惑いが俺の中にはある。

「今こうちゃん出たね」
「めっちゃ緊張したから」
「でも、楽しそうな顔してる」

TVとTwitterとLINEの3つを順番に確認しながら返事を送る。

「助けマス…笑」
「まじ焦っちゃってほんとに」
「こんなに焦るこうちゃんあんま見れないよね」

Aの前だからかっこつけてあんまり焦らないようにしてる、なんてA本人に言える訳もなく ″笑″と返す。こういう恥ずかしい部分はあんまし見られたくなかったなぁと思いながら。

「仇書けたんだ」
「まあね」
「凄い凄い」

クマが拍手しているようなスタンプが送られてくる。ドヤ顔のうさぎのスタンプで返す。ぴろりん、ぴろりんと実況するようにLINEが飛んでくる。

「なんでわんこそば…笑」
「なんも思いつかなかったの！」
「温かいそうめんはにゅうめんでしょ」
「最近食べてないから記憶が…」

結構緊張してて序盤で助けマス2つも貰ったしいい所ない。俺。森蘭丸は結構早めに分かったけどその他がこれといって特出するものがなかったし辛くなる。

「ベテランチームもちろんだけど。名取さん、強かったね」
「うん」

終わってから俺がもう少し頑張ってたら、なんて考えてしまう。他の人がクイズノックメンバーだったらって。やっぱり、悔しい。真剣にやってきてるからこそ悔しい。こういった盤面で他の人とクイズする場所はそんなに多くないから。一回一回を大事にしたかった、もっと応えたかった。クイズノック
の皆にも、Aにも良いところを見せたかった。

電話が鳴った。

「…もしもし」
「もしもしー、その声やっぱりしょげてた？」
「しょげてないし」
「こうちゃん負けず嫌いなとこあるからさ」
「べっつにい」
「にゅうめん作ってあげるから元気だーして。」

「…おう」
「こうちゃん頑張ってるとこ見れて嬉しかったな」
「うん」
「来週は川上さんも出るねぇ」
「一緒に見たい」
「いいけど、」
「…来週俺の家ね。待ってるから」
「えっ」

強制的に電話を切る。電話が鳴っているけど何も気にせず布団に放り投げた。俺自身も布団に転がり天井を見上げた。前よりも少しだけ成長した気がしている。

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@めちゃめちゃ可愛かったです。