現実逃避と共に (ページ12)

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□wtnbくんとボードゲーム@夢主ページ12

「こうちゃんこうちゃんゲームしよ」
「ゲーム？リズムゲームはやだなー」
「リズムゲームじゃないやつ！」
「だったらいいよ」

こうちゃんから了承を貰い、伊沢さんから借りたボードゲームを取り出す。

「なにそれ」
「伊沢さんが昔やってたやつ！」

″はぁって言うゲーム″で、昔動画で伊沢さんが桜雪さんとやっていたゲームだ。こうちゃんとやるから貸して欲しいとお願いをしに行ったら速攻貸してくれた。代わりに審判をやらせろと言われたけど。

「今日は俺審判だから！よろしく」
「どういうゲームなんですか」
「えっとね、やればわかるから！」

カードをシャッフルしてこうちゃんと半分こする。手元に来たのは ″いたずらな「好き」″こうちゃんの方へと向いて目を合わせて

「すーきっ」

悪戯っ子っぽくへへ、と笑いながら好きを伝える。こうちゃんは顔を赤くしながら「は？え？は？え？え？え？」と繰り返している。可愛い。

「こうちゃん今の好きがどの好きか当てないと～俺はね、これかなーってやつあるよ」
「分かりやすかったですか？」
「だいぶね！こうちゃんはどうかわかんないけど」
「え、いや、え？ルールはわかっ…え？」
「はいじゃあこうちゃん、せーので答えるよ。せーの」

「B」
「A…？」
「正解はBでしたー伊沢さん正解～」
「だよね、笑い方がそんな感じかな？ってこうちゃん今のでグッときた？」
「はっ…いやまぁほら小手調べ的なねそのあれねあの」
「次こうちゃんの番だよ」
「…はい」

こうちゃんの方を向く。こうちゃんは手元の紙を何度か見た後に

「……好き」

と私と目を合わせたまま呟いた。思わず私の顔も赤く染まる。破壊力が凄い。

「分かった…？」
「た…たぶん…」
「Aもこうちゃんも顔赤くしちゃってこれ動画で使えないじゃん！もー。じゃあいくよせーの」

「「C」」

「まぁそうなるよね」
「さりげな…破壊力…」

「この動画お蔵入りになるんだからもう伊沢さん編集にもどっていいですよ終わってないでしょ」
「くぅー！まぁいいか、面白いもの見せてもらったし」
「見世物じゃないんですけどね！…A？大丈夫？まだ顔赤いけど」

そりゃ。あんな、あんな破壊力のあるもの見せられたらそりゃあ。顔も赤くなるって。ほんとに。

「あのさ、こんなことしなくても俺別に好きとか言えるからさ。A。」
「…はい…」

「好きだよ」
「はい……」

好きって言われたくてゲームさせたのはバレていたみたいです。