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コン コン
一通り話し終わり、静かな時間が流れていたその時。
突然、窓を叩く音がして驚きながらもそっちを向くと、なぜか蘭が立っていた。
『蘭…!?なんでここ…』
「GPS」
急いで車の窓を開け、蘭はそこに両腕をついていつものニコニコ笑顔でそう言う。
『GPS…?』
「そんなの…」と思ったけれど、以前ふざけて蘭と竜と一緒にそんなアプリを入れた気がする。
「Aちゃん、そいつ…」
『え、あ、急にごめんね。本当に…』
「乾くん、久しぶりだね」
「…どうも」
『え、あれ?知り合い…?』
2人とも顔見知りなのだろうか、その割にはあんまり良い空気ではない気がする。
蘭には色々聞きたいことがあるが、とりあえずこの場をどうしようかと考える。
「A、帰ろ」
『え、でも…』
どうすれば良いかわからず、そのまま助手席で会話を続けていたら「イヌピー、まだ行ってなかったのかよ」とドラケンくんの声が聞こえた。
「…灰谷蘭?」
「あ、ドラケンじゃん」
『(なんか皆さん空気悪すぎじゃありません…?)』
そういえば、私がアメリカに行った後何かあったんだよね。その時に知り合ったのかな。
「灰谷兄弟、今ホストやってんだってな」
「そーそー。オマエもど?」
「んーや、やめとくわ」
「もったいな、お前売れそうなのに」
「どーも」
そんな短い会話をして、蘭はつまらなそうにこちらに顔を向けたと思ったらまたニッコリ笑って「A、帰ろ」ともう一度言う。
『…わかった。青宗くん、本当に、色々ありがとう。今日は蘭の車で帰るね』
「…ああ」
そう返事だけして、彼は車のロックを開けてくれた。
私は車を降りたと同時に蘭に手を引かれ、彼が乗ってきた車へと乗り込む。
しかし、反対の腕をグイッと腕を引っ張られて後ろを振り向くと青宗くんが「これ」と言って紙切れを渡してくれた。
「俺の連絡先。登録しておいて」
『…わかった』
「気をつけて」
それを最後に今度こそ車に乗り、車の窓を開ける。
『青宗くん、ドラケンくん、また改めてお礼させて』
「気にすんな、気をつけて帰れよ」
「じゃ、また会えたら〜」
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水原カノ(プロフ) - くろしばさん» 嬉しい限りです( ; ; )拙い文章ですが、番外編でもよろしくお願いします…!(*´꒳`*) (2022年2月9日 23時) (レス) id: e0da8650d9 (このIDを非表示/違反報告)
水原カノ(プロフ) - みきさん» そう言っていただけて嬉しいです…!まだ続きますがよろしくお願いします(*´-`) (2022年2月9日 23時) (レス) id: e0da8650d9 (このIDを非表示/違反報告)
くろしば(プロフ) - いつも楽しくワクドキ泣きもしながら読ませていただきました!番外編楽しみにしています!応援してます!頑張ってください! (2022年1月22日 22時) (レス) @page50 id: ba268ba5be (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 番外編楽しみにしてます!この作品めちゃ面白かったです!頑張ってください! (2022年1月22日 16時) (レス) @page50 id: 23779c598a (このIDを非表示/違反報告)
水原カノ(プロフ) - 茶子さん» 素敵なコメントありがとうございます(;_;) ティッシュの供給は間に合っていますでしょうか…?いつでもプレゼントします!(*´ω`*) (2022年1月15日 22時) (レス) id: e0da8650d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水原カノ | 作成日時:2021年12月23日 17時