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声にならない叫びで泣き続けた。たかが外れたように、泣き続けた。
その間、万次郎はずっと抱きしめてくれた。
力が抜けてしまって、地べたに膝をついてしまっても彼は離さず、私は彼の胸にしがみついて。
「…12年前」
スッと、頭を撫でられてすぐに万次郎はその空気を破るように話し始めた。
別に聞かなくてもいい、そんな独り言のように。
「真一郎の墓参りに行って、お前を見つけた。それが最後だった」
『…！』
やっぱり、あの日運んでくれたのは貴方だったんだね。
「それから俺は、どんどん堕ちていった。お前を犯そうとしてた愛美愛主の奴らを殺そうとして、ケンチンと三ツ谷、タケミチにギリギリのところで止められた。
俺はあの瞬間から、人でいられないようなトリガーを引いたんだ。いつもの俺と違う俺の2つがなんとなくいることがわかった。それで、関東抗争の時、エマが死にそうになって、俺は今度こそ終わりだと思った。
でも、エマは無事に戻って来られて、その後は高校行ったり行かなかったりフラフラして…」
急に言葉が消えて、沈黙が流れる。
「…お前のこと、忘れられなかった」
ギュッと胸が締め付けられた。
それは、嬉しいものなのか苦しいものなのかわからない。
「本当に、やっと蓋をし始めたとこだった。虚無感しか残ってなくて、何も感じないとこだった。お前のことは何も考えず、負わず、気にせずに。そうすることで、ある意味生きていけた」
ふと、私を包む力が緩まる。
でも、またもう一度手に力を込める万次郎。
「…そんなの、無理に決まってるのにな」
ポタ、と私の手の甲に滴が落ちる。
思わず顔を上げると自嘲気味に、でもそれは酷く悲しい笑い方だった。
『っわたし…ね、まんじろーのこと…ずっと、忘れてなかったよ…ｯ』
「…そっか」
『まんじろーは、何してるかな…っまんじろー、無理してないかな…？どうか、どうか何事もなく、総長として、チームを引っ張っていって…！』
でも、でもね。何よりもね。
“そばにいられなくてごめんね”
その一言にずっと縛られていた。
「俺も、手放してごめん。諦めてごめん。信じなくてごめん」
本当だ、青宗くんの言う通りだ。
あまりにも距離が近すぎて、私たちはいつも間違えてしまう。ちゃんと向き合えば、わかり合えるのにね。
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水原カノ(プロフ) - くろしばさん» 嬉しい限りです（ ; ; ）拙い文章ですが、番外編でもよろしくお願いします…！(*´꒳`*) (2022年2月9日 23時) (
レス) id: e0da8650d9 (このIDを非表示/違反報告)
水原カノ(プロフ) - みきさん» そう言っていただけて嬉しいです…！まだ続きますがよろしくお願いします(*´-`) (2022年2月9日 23時) (レス) id: e0da8650d9 (このIDを非表示/違反報告)
くろしば(プロフ) - いつも楽しくワクドキ泣きもしながら読ませていただきました！番外編楽しみにしています！応援してます！頑張ってください！ (2022年1月22日 22時) (レス) @page50 id: ba268ba5be (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 番外編楽しみにしてます！この作品めちゃ面白かったです！頑張ってください！ (2022年1月22日 16時) (レス) @page50 id: 23779c598a (このIDを非表示/違反報告)
水原カノ(プロフ) - 茶子さん» 素敵なコメントありがとうございます(;_;) ティッシュの供給は間に合っていますでしょうか…？いつでもプレゼントします！(*´ω`*) (2022年1月15日 22時) (レス) id: e0da8650d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水原カノ
| 作成日時：2021年12月23日 17時
