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「うっし、今日はもう遅いから」
『っやだ!帰らない!』
「はあ?」
『泊まる!それでしんいちろーと一緒に寝る!』
「お前はバカか」
やっと泣き止んだかと思えば次は駄々をこねる私。
だって私、いつもまんじろーと一緒の部屋で寝るけど、しんいちろーと寝たの小学三年生とかで止まってるんだもん。
「とりあえず帰んぞ」
『じゃあ、一緒に寝てくれる?』
「なんでそこで"じゃあ"なんだよ…。というか父ちゃんと母ちゃんには言ったのか?」
『佐野おじちゃんが電話すればいいもん!』
「わーったから」
『一緒に寝よう?』
「考えとく」
『絶対考えて!』
中断した作業をまた再開しようとするしんいちろーの腕に引っ付いて阻止をする。
しんいちろーは呆れたような顔をしていて「私って本当子どもだな」って思った。
「今作業してるの片付けるから10分くらい待ってろ」
『あーい』
しんいちろーを待つ間、いつものカウンターに腰をかけて夏休みの宿題の残りを頭で思い浮かべる。
『(あ、数学やるのすっかり忘れてた)』
「ま、あと一ヶ月はあるし」と切り替えて、お母さんに佐野家の泊まりのことを連絡しようと携帯を鞄から探す。
『(あ、携帯家に置いてきちゃった)』
一応、何かあった時用のために携帯は持たしてくれるけど、基本的に佐野家にいるかしんいちろーのお店にいるかだから忘れちゃうんだよね。
「Aー、行くぞ」
『ん〜』
色々考えてたらいつの間にか時間が経っていたみたい。
しんいちろーに名前を呼ばれて彼の元へ駆け寄る。
「忘れもんねーか?」
『持って来たのお財布と鍵くらいだから』
「携帯は?」
『あんまり必要ないしいつも持ってきてない』
「それは携帯とは言わねーな」
『だって夏休みほとんどしんいちろーのお店いるかまんじろーといるかなんだもん。夜は遅ければしんいちろーが家まで送ってくれるし』
「まあ、そうだな」
『……これってもう付き合ってない?』
「あほ」
けっこう痛いデコピンを食らった。
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水原カノ(プロフ) - さまさん» 本当ですね…!ご指摘ありがとうございます(^^) (2023年1月12日 16時) (レス) @page4 id: dc8eb8059d (このIDを非表示/違反報告)
さま(プロフ) - 3歳は小学生じゃなくないですか、、? (2022年12月29日 10時) (レス) @page4 id: 515ce007de (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラの娘です - 何度も見返してしまうほど面白いです!それに更新早いですね!←三週間作品を更新してない人 (2021年10月12日 19時) (レス) @page19 id: dfc5bee49e (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラの娘です - ゑ?、、、、、あっなんだ神かぁ。好きです!更新頑張ってください! (2021年10月12日 19時) (レス) @page9 id: dfc5bee49e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水原カノ | 作成日時:2021年10月11日 19時