36(20240110) ページ35
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翌日、Aちゃんのことが心配だからなるべく早く帰ろうと思っていたのに、そんな日に限って打ち合わせが長引くし突発的なインタビューが入ったりしてなかなか帰れなかった。かと言って仕事の間にちょこちょこスマホさわって連絡とるようなタイプでもないから、Aちゃんに逆に心配かけてしまったかもしれない。申し訳ないなーと思いながら、せめてと送りの車から部屋までは走って家に帰った。
「ごめんAちゃん! 仕事が押して、もう連絡するより直接帰った方がはやいかなっておもって」
そう声を張り上げながら玄関から入ると、部屋からとてとてと出てきたAちゃんはふわっとわらって爆弾を落とした。
「お疲れ様です、ごはんどうしますか?」
「ぶふっ、おふろにしますごはんにしますみたいな」
「それともわたし?ですか? 昭和だー」
おふろにするか食事にするかそれともわたしにするか
わたしに、するか???
わたしに???
って、心のなかがフリーズして五秒くらいは黙っていた気がする。
その間にAちゃんがはっとしたような顔をした後かあっと真っ赤になったのが見えて、そんなつもりじゃなかったんだな、とかいやそりゃそうだろ今までの流れで急にそんな積極的にならないだろとか瞬時にいろんなことを考えるおれ。
「A、って言いたいだけど、まずおふろ。それからごはん食べたい。いい匂い!」
とっさにそんな言葉が出てきたおれってオトナじゃない? おまえだよおまえおまえが一番欲しいよって言いたいの抑えてのこのセリフだよ、本当にえらいよおれ!!!
余計なことを言ってしまわないようにさっさと手を洗いに洗面所にいく。ついでにそのままお風呂に入ってしまう。おちつけ。いろいろ落ち着け。そもそもAちゃんのこと大丈夫か気にして帰ってきておいてこんなことであせっている場合じゃないだろ。
……こんなこと、っていえるほどこんなことでもないけどさ。
Aちゃんは元気だったっけ?
……あの一瞬じゃわからなかったな。ちゃんと見てみないと。
そう決心しておふろを出る。
食卓には、あったかそうに湯気を立てているシチューとサラダが一人分置いてあった。あ、A先に食べたんだ、よかったよかった。
夜に食べると太っちゃうかもしれないしね。
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フェル兄(プロフ) - お返事ありがとうございます。 全然大丈夫です!お身体に何かあったのだはないかと心配しておりましたが、お返事いただけて安心致しました。ありがとうございます。 (12月9日 18時) (レス) id: a5957782ab (このIDを非表示/違反報告)
由乃(よしの)(プロフ) - フェル兄さん» すみません、トップいじっただけで更新通知が行くとは思わず……お騒がせしました。読んでいただいてありがとうございます。そのうち続きを……がんばります (12月9日 14時) (レス) id: 0b55501fca (このIDを非表示/違反報告)
フェル兄(プロフ) - 初めまして 更新の通知があり戻ってまいりました。いつも楽しい小説をありがとうございます。続きが更新されるのを心待ちにしております (12月8日 21時) (レス) id: a5957782ab (このIDを非表示/違反報告)
由乃(よしの)(プロフ) - ご感想ありがとうございます。だいぶ停止していて……もう少しお待ちくださいね。必ず! (8月28日 22時) (レス) id: a4b9ddb561 (このIDを非表示/違反報告)
美広(プロフ) - 最新話まで読ませていただきました!ストーリーが面白かったのと、増田さんが可愛かったです!笑 更新まってます! (8月28日 1時) (レス) @page34 id: 0b2539d07f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:由乃 | 作成日時:2022年10月18日 22時