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だよね。わかる。
それなら、荒療治しちゃったらどうだろ???
恋人気分になっちゃった方があんしんできるんじゃない?
「これさ、一度くっついちゃったほうが緊張しないと思うんだけど」
「く、っつく?」
「そ、どう?」
「どうっていわれましても」
そういってまごまごとする彼女が可愛さ余って憎さ百倍、まではいかないけれどちょっとだけ「もうっ」っておもう。
せっかくひさしぶりに会えたのに、なんでそんな感じなのさ。
「ええい煮え切らないやつだなっ」
そう言ってAちゃんのうしろに入り込んでぐわっとだきしめてみた。
「ぎゃああ」
「なんつーこえ出すんだよ」
「これ、バックハグじゃないですか?」
「だからなに」
「しぬ」
あ、またしんじゃった。
ふふ、ってつい笑ってしまう。
なんなのこの子。
かわいいの。
でもちょっとおかしいの。
ファンのこと付き合ったことなんてなかったからなあ。
こんなかんじになっちゃうのかな。
「よーしよし、Aちゃんはこどもだなーだいじょうぶだよー」
髪をそっとなでてみる。
「ほらなんにもしないよー」
「してるじゃないですかあ」
え、なによ。
こんなのしてるうちにはいんないじゃん!?
「これ以上はしない。大丈夫」
約束してみると、彼女はなぜだか真っ赤になってしまった。
あ、ははーん。
なんか想像したな。
すかさずからかうことにする。
「あーらやだ、そんな真っ赤になって、なに考えてるぅ―?」
「な、なんにもっ」
「だいじょうぶだって」
「……しにそう」
「もうーー」
手をはなしてあげる。
Aちゃんはすごい勢いでおれの腕からはなれてソファの一番端までいってしまう。
腕の中にあったやさしいあったかさが消えちゃって、思いの外がっかりしてしまう。
ああ、大きなソファにしなけりゃよかった。
なんてどうでもいいことを思って。
「ねえ、二か月ぶりだよ?」
「むしろ二か月ぶりだからこそ免疫が下がってるんですよ!」
なるほど。
たしかに、おれも今日はいつもよりちょっとドキドキして待ってたもんな。
でもなあ。
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フェル兄(プロフ) - お返事ありがとうございます。 全然大丈夫です!お身体に何かあったのだはないかと心配しておりましたが、お返事いただけて安心致しました。ありがとうございます。 (12月9日 18時) (レス) id: a5957782ab (このIDを非表示/違反報告)
由乃(よしの)(プロフ) - フェル兄さん» すみません、トップいじっただけで更新通知が行くとは思わず……お騒がせしました。読んでいただいてありがとうございます。そのうち続きを……がんばります (12月9日 14時) (レス) id: 0b55501fca (このIDを非表示/違反報告)
フェル兄(プロフ) - 初めまして 更新の通知があり戻ってまいりました。いつも楽しい小説をありがとうございます。続きが更新されるのを心待ちにしております (12月8日 21時) (レス) id: a5957782ab (このIDを非表示/違反報告)
由乃(よしの)(プロフ) - ご感想ありがとうございます。だいぶ停止していて……もう少しお待ちくださいね。必ず! (8月28日 22時) (レス) id: a4b9ddb561 (このIDを非表示/違反報告)
美広(プロフ) - 最新話まで読ませていただきました!ストーリーが面白かったのと、増田さんが可愛かったです!笑 更新まってます! (8月28日 1時) (レス) @page34 id: 0b2539d07f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:由乃 | 作成日時:2022年10月18日 22時