クローゼット ２

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「わたしが必要だと思う接客をしています。もちろん他の仕事もしますけど……手が回っていない作業があるなら言ってください。ちゃんと人を割きます。詳しく教えてもらえますか？」
「……もういいです！」



緑野さんはぷん！と音がしそうな勢いで向こうに行ってしまった。
うおーい、自分から仕掛けておいて。



……なんか、めげるな。
そんな風に見えるのかなあ。


そっとためいきをつく。
今日はいい日だと思ったんだけどなぁ。



　 ☆


その日一日なんだかかなしい気持ちで勤務を終えた。
緑野さんはわたしを無視していたし、他のメンバーもその気配を感じ取ってそっと遠巻きに見ているみたいにしていて、やりにくい。
副店長と言ってもそんなに人をまとめたりはしないけれど、働きにくいのは困る。
どうしたらいいのかなあ。


そんなことをつらつら考えながら家に帰る。
増田さんは今日も遅いと言っていた。
一人だし、簡単にパスタでお茶を濁そうかな。


家に入ると、かすかに増田さんの匂いがしてほっとする。
一人じゃないって、いいな。
まあ、増田さんはまだまだ帰ってこないんだけど。



さくっと和風キノコパスタとスープをつくってたべ、ちょこっとストレッチなんかしてからお風呂をいただいた。リビングでテレビを見ながらぼんやりしていたら、玄関から物音がした。



「ただいまー」
「！？ おかえりなさい？」


思いの外早く増田さんが帰ってきた！
え、どうしよう。



「ちょっとはやく仕事終わった！」
「おつかれさまでした」
「んーなんかいいにおいがする」
「あ、なんだろうスープかな。食べられます？」
「食べてきたんだけど、スープなら食べれる！！」

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