いつでも一緒……K.K. ページ34
夜中になんだか
とてつもなくさみしくなって、思わず合鍵を持ってけいちゃんのうちに来てしまった。
いつも、邪魔しちゃいけない、めんどくさがられたらいけない、って我慢してたのに、なんでだろ。
今日けいちゃんに会えなかったら無理、ってなってしまって、そんな自分のわがまま具合も怖かった。
着く直前にLINEしてみる。
Aこれからいってもいい?
ってもう12時過ぎてる。きっとけいちゃん怖いだろうな。でも、なんて返事が来るかわたしもこわい。
既読がついて即返事がくる。
けいちゃんどしたの?
A会いたいの
けいちゃんいいよ、俺が行こうか?
A実はもう、けいちゃんちの近くなの
けいちゃんえ、じゃあ迎えに行く
夜中なのにすぐ出てきてくれて、車に乗せてくれる。別段怒った風でもなくて、「今日は寒いねー、大丈夫だった?」なんて言ってるけいちゃんがスパダリすぎて、なんか泣けてくる。
「え、なに、Aちゃん、泣いてる?」
「めんどくさくてごめん」
「そんなことないよー、なに、なんで泣く?」
けいちゃんはいつもやさしくて、カッコよくて、なんでもわかってくれる。でもさ、今回は無理だよ。
だってわたしにもなんで寂しいかわかんないの。
「わかんないの、わかんないのにさみしいの」
「んー」
てけいちゃんは困ったみたいにくちをつぐんだ。
それから、
「とにかくうちいこっか」
って家に連れて行ってくれた。
「いつからかなしいの?」
「ここのところずっと、なんかさみしいな、って。で、今日、もうダメだーってなったの」
「俺ここんとこいそがしかったもんな」
「けいちゃんのせいじゃない、と、おもう」
テレビやラジオで、一方的だけどけいちゃんに会うことはできてたし。
「Aが寂しくて俺に会いたいって思って泣きたいなら、俺のせいなんじゃないの?」
けいちゃんはそう言ってあったかいお茶をくれた。
そっと後ろから抱っこしてくれる。
あったかくて、いい匂い。
お風呂入った後だったんだろうな、申し訳ない。
「俺が仕事を楽しくしに行けてるのも、めちゃくちゃがんばれるのも、Aちゃんがいてくれるからだよ?」
「ううん」
「そうなの! そこはちゃんとわかってなさい」
先生みたいに言って、けいちゃんはわたしの頬をつんつんする。
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作者名:由乃 | 作成日時:2020年10月27日 11時