NEWS日和 (ページ3)

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特別……T.M ページ3

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いつもすべてが全然想像がつかなくて、
この人ほんとうに存在してるのかな、と思う。

たとえば話し方とか声、その高いトーン低いトーン、
話しながら動かす手の仕草。
そういうの全部、人や状況によって変えてくるから、パターンがつかみにくい。
この人って、本当はどんな人なんだろう？って。

なのにいつも、真っ直ぐ人の目を見つめることだけはかわらないから、その視線だけで胸を撃ち抜かれる。

なんだかいつも、ずるい人だなあと思う。

「そんなこと言われても」
でもあなたはそう言ってふふふと笑う。
「あんま気にしてないんだけど、そうかなあ？」
可愛らしいくちびるの端がきゅっとあがって、奥二重の魅力的な瞳がくるんと上をみて、長めの前髪がさらっと揺れる。その前髪に指をすっと通すいつもの仕草が、少しだけ神経質そうに見える。

「でもよく見てますね、フフ」
「増田くんはよく笑うね」
なんとなく言い返すと、ニコニコしたままわたしをじっと見つめてくる。口よりも何十倍も雄弁な瞳。

見つめられた途端。
好奇心好意優しさや、すべてを包み込んでくれるような肯定感が、すっとわたしをつつみこむ。

増田くんの魔法だ。
だけど。
どう反応したらいいのかな。
あなたに、伝わるのかなあ？
必死に言葉を、探して、口に出す。

「いっつも、誰にでも、そういう態度なんだろうね」
「どーゆー態度？」
　

一歩前に近づいて、わたしの目をじっと見つめてくる。青みがかるほど綺麗な白目と、黒目のバランスが好きだなぁと思う。

「やさしく笑ってみんな受け止めてくれるみたいに、思わせちゃう」
「そう？」

増田くんは最初に受け入れてくれると、次からはガードが開けっぴろげに見える。手をのばしてもいいのかな？と一瞬思うんだけど、でも本当はガードはいくつもあって、本当の気持ちにたどり着くまでには、どこまで進めばいいのかよくわからない。なにを考えてるのか、わかりやすそうなのにわかりにくい。