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なんとか、さおを落ち着かせて
なぜか私達は同じ席に座った。
私の隣にはさお。
そして、さおの向かいの席に座っているのは雅治で、私の向かい側が修くん。
「あのさ…、さおちゃん……」
雅治に名前を呼ばれたことで
さおがピクリと反応し
そして、ゆっくりと顔を上げた。
「修から聞いて知ってると思うけど……。俺、NYへ転勤する……」
「奥さんは？」
そこまで言ったところで、さおはその先の言葉を遮るようにして、雅治へとまっすぐ視線を向けたまま、言葉を発した。
「……え？」
「あなた、結婚してるよね。奥さんとはうまくいってるの？」
さっきまでのイライラした雰囲気とは違い、さおは腕を組みながら、雅治をジッと見つめた。
そういえば―――…
雅治の結婚した相手って、一つ下の彼女で…
私も二人が一緒にいる姿を見たことあるけど、すごくお似合いで、ラブラブって感じだった―――…
「―――別れた」
私が思い出していた光景とは正反対の雅治のその言葉に、私は「え…っ…」と息を飲んだ。
ウソ…
あんなにラブラブだったのに…。
「ふーん…そうなんだ…」
それを聞いて、私も修くんも動揺しているというのに、雅治もさおもかなり冷静というか………
「俺の離婚した理由、何も聞かないの？」
「なによ、私達に聞いて欲しいの？」
「いや、別に……笑」
「あんたが聞いて欲しいって言うのなら、そりゃ、聞いてあげるけど…。だけど、私も離婚経験者だからわかるけど、別れた理由とかって、普通は人には話したくないものでしょ？ だから、私もあえて聞かない」
フッと笑うさおに、修くんが「さすがさおり！」みたいな尊敬のまなざしを向けているのを見て、私は何だか可笑しかった。
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作者名：ミイ
| 作成日時：2016年12月7日 22時
