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そして、ふと思い出した。
雅治は昔からこういう優しさが
さりげなく普通にできる人だった…。
だから、私も雅治と付き合った。
雅治が私の人生の中で
一番好きだと思っていた時期もあったけど
翔ちゃんと出会ったことで
私の一番大切な人は翔ちゃんに変わった。
「ちょっと！！」
雅治と話していると
いきなり私たちの間に割り込むような形で、さおが入ってきた。
「雅治さん、あんまりAに親しく話しかけないで欲しいんですけど」
そんなさおの強い態度に
また、雅治は困ったように私のほうを見てくる。
「さお…、雅治は別に私に変な意味で話しかけてきたんじゃないから…ただ、久しぶりに会って自分の近況を話してただけで………」
「わざわざ、親し気に話しかけてくる時点で、怪しいって言ってんの！」
いやいや、それは………。
だけど、どうやら…
さおの中では雅治が、私に下心丸出しで近づいて来たということになっているみたい。
このさおの勘違いを正せるのは
修くんだけ…と
視線を向けるのだけど―――…
修くんは私の視線を受けると
すぐにお手上げ状態…みたいに肩をすくめて苦笑いした。
え、えぇ〜〜〜！！？
ちょっと、その“オレにはどうにもなりません”的な態度は何！？
「さ、さお。
とにかく、落ち着いて…」
「もう！Aはなに落ち着いてるのよ！
あんたが、少しぐらい警戒心を抱かないとダメじゃない！」
両肩に手を置かれ、言い聞かせるように言われたところで
私としては、「そうだね…」としか言えなかった。
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作者名：ミイ
| 作成日時：2016年12月7日 22時
