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「本当は、こんなことしちゃいけないって
わかってた。
翔くんにも直接、このことで昨日怒られたし。……だけど」
ユミさんがキッとした眼差しで私を睨んできた。
「私は、あなたが翔くんの彼女なんて
認めたくなかった！
ううん、違う認められない！！」
「……」
「私は、小学生の時からずっと彼と一緒だったし、あなたなんかより
ずっと翔くんのことを理解してる！
大学生になってようやく彼と付き合って
彼にふさわしい女性になろうとして
アメリカにまで行って勉強したの！」
「……」
「彼のことを諦めるために
他の男性と付き合ったりしたけど
それでもやっぱり忘れなくて…。
だから、こうしてまた再会できた時は
運命だとも思ったの……
だけど、すでに彼には彼女が居て…」
テーブルの上に乗せてある手を
ギュッと握る彼女を見て
私は何も言えなく
彼女の言葉をただ聞くしかなかった…
「もう、諦めなくちゃと思った……。
でも、それはあなたが彼女だからじゃない！
彼が、ずっと思いを寄せていた子だと思ったから……！」
―――え…？
「私は、その事を知っていながら
ずっと、ずっと好きだった！
それなのに、いきなり現れたあなたが
彼の彼女だなんて！
私は、絶対に認めないから！！」
……翔ちゃんに、好きな人がいた？
初めて聞く事実に
呆然としてしまっていた私は
ユミさんがその言葉を最後に席を立ったことに
対応することもできなかった。
あの写メの画像やら
彼女がどういうつもりで
あの写メを見せてきたのか
そして、これから先
あれをどうするつもりなのか
いろいろと聞かなくちゃいけなかったのに…
だけど、それよりも私の頭の中には
翔ちゃんが私と付き合う前から
ずっと忘れられないくらい
好きな人が居たということだった……。
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作者名：ミイ
| 作成日時：2016年12月7日 22時
