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「な、なんでっ！？」
驚いて固まっている私の前で
一緒にいたさおが二人を指さしながら目を見開いていた。
「なんで、あんたたち一緒にここに居るの？！」
「え？取り引き先の先輩で、最近お世話になってる人だけど…？」
何が何だかわからない…って顔して
言い放つのは修くん。
そんな修くんに、さおは立ち上がって
私を庇うように立つと
「ちょっと！修くん、知らないの？」
「え？何がだよ…」
「あなたの先輩、Aの元恋人だよ！
Aのこと…裏切って、ゴミみたいに捨てた人だよ！」
と、語気を荒げて言った。
だけど、そんなさおに
雅治はへらへらした笑いを浮かべて
「あれ？ そうだったっけ？
…って、それよりも酷い言われようだな」
なんて、とぼけるようにして笑った。
私と別れて結婚したはずの雅治が
また私の目の前に現れ
少なからず、私も動揺してた。
そんな私に、雅治が声をかけてきた。
「A、久しぶり…」
「あ…、うん、久しぶりだね。」
にこやかな笑みを浮かべて話しかけてくれる雅治。
だけど、私はかなり複雑な気持ちで
気の利いた挨拶さえできなかった。
「………」
黙り込んでいると
クスッと笑う声がして
私はその声に顔を上げた。
「あのさ…。
そんな気まずそうな顔しないでくれよ」
「う、うん…」
そうは言われても―――…
「俺がAと別れたのは4年も前の話なんだからさ」
「…うん、そ、そうだよ。
私が気にするわけ、ないじゃない」
雅治のこと忘れられない…って
思っていた時期もあったけど
翔ちゃんと出会ったことで
雅治のことを綺麗さっぱりに忘れることができた。
「ちょっと！！」
雅治と話していると
いきなり私たちの間に割り込むような形で
さおが入ってきた。
「え？…さお？」
「あんた、あたしの許可なく
Aに近づくのは禁止なんだからね！」
腰に手を当てて、雅治を威嚇するさお。
そんなさおの敵対心剥き出しの行動に
雅治は困ったように眉を下げながら、
私の方を見て、また笑った。
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作者名：ミイ
| 作成日時：2016年12月7日 22時
