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「待って…でも…」
『ん？』
「………」
『なんだよ 笑』
「だ、だって、翔ちゃん…。
昨夜、あんなに…」
『あー、そういうこと？
昨日は昨日、今日は今日でしょ？』
いやいやいや。
昨日というか、すでに外が明るくなる頃まで、離してくれなかったじゃない……。
「だ、だけど、これから翔ちゃん仕事でしょ……？」
私のその言葉に、一瞬、翔ちゃんは眉を寄せてピタリと止まった。
その姿に、これで逃れられる…と思ったけど…
『仕事は、もちろんあるけど、そんなことで、仕事がおろそかになるようなことはないから大丈夫！』
「ぇえ〜〜〜！？ だけど、これから仕事なんだから、ムダな体力を使わない方が…」
『ふだんから体は鍛えてるし…Aが心配することなんかないよ。それに俺、もうスイッチ入っちゃってるし 笑』
“何のスイッチ？”
なんてことは聞かなくてもわかる。
だけど……
「翔ちゃん、私、これ以上頑張っちゃうと、朝ご飯の支度とかが―――…」
『そんなこと気にしなくていいから大丈夫。Aは、今日一日はゆっくりしてていいから…ね？』
そこまで言われてしまうと、私はもう何も言うことができなかった。
そしてその日―――…。
私は、足腰がガタガタで起き上がることなんかできるわけもなく…
翔ちゃんをベッドの中からお見送りすることになった。
これからは、自分の行動にもっと注意することにしよう…
だって、翔ちゃんを嫉妬させるとすごーく大変だってことが、イヤというほど勉強になったから…。
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作者名：ミイ
| 作成日時：2016年12月7日 22時
