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「翔ちゃんっ、ダメ…」
せりあがってくる体の快感に
思わずシーツをつかんだ。
なんとか翔ちゃんから逃げ出そうとしたけど、そんな私の腕を簡単に掴まれ引き寄せられる。
「翔、ちゃん…ヤッ、ダメ…」
『そんな簡単には許さないよ。
夜は長いし……。
それに俺、今夜はAを寝かす気なんてないから覚悟して』
私を組み敷き
見下ろしながら
また、にっこりと笑う翔ちゃん。
前髪を掻き上げる
その色っぽい表情に見惚れていると
チュッとキスを落とされる。
『A…、口開けて……』
「…ん、」
翔ちゃんに言われるまま口を開けると、入ってくるのは、やけどしそうなくらいの熱い舌。
入り込んできた翔ちゃんの舌は、すぐに私の舌を絡め取る。
体がつながった状態での
濃厚で甘いキスは私の思考さえも奪っていく……
理性など全部捨ててしまって
この込みあがってくる
波に乗ってしまいたくなる。
『A…』
名前を呼ばれ
目を開けると
額にうっすらと汗を浮かばせながら、私を見つめる翔ちゃんの瞳。
「…翔ちゃん」
なぜか、すごく翔ちゃんにギュッとしたくて、背中に手を回して抱きついた。
そんな私を見下ろして
翔ちゃんは、うれしそうに微笑んだ。
『俺を嫉妬させたんだから
今夜は最後まで付き合えよ』
…え？
嫉妬って…
翔ちゃんを見上げると
また、少し笑いながら
力強く抱き寄せられる…
『…例え、あいつがAのことを手放したことを後悔しても俺は関係ない…。
Aは俺だけのもの。
誰にも渡したりしない―――…』
消えゆく意識の中で
翔ちゃんの声が聞こえた気がしたけど
何を言っていたのかは私には聞こえなかった…。
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作者名：ミイ
| 作成日時：2016年12月7日 22時
