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私と目が合うと、翔ちゃんは困ったように少し眉を寄せた。
そして、天井へと視線を向けたかと思うと、小さく息を吐いてから、また私へと視線を戻した。
『あのさ…今日、A、さおちゃんと飲みに行くって言ったけど…男も一緒だったよね』
「えっ、」
ひょっとして…翔ちゃん、私たちのことを偶然見かけたとか？
別に、翔ちゃんに知られて都合が悪いことなんかないから、正直にコクリとうなづいた。
『あいつ…だよな？』
「…あいつ？」
何か翔ちゃんの言い方が、少し気になった…
『Aと昔、付き合ってた男…』
な、なんで、翔ちゃんが雅治のこと知ってるの！？
確かに、翔ちゃんと付き合うってなった時、雅治のことは話した。
それは私も覚えてるけど…。
でも、雅治の容姿なんか私は翔ちゃんに教えてないし、知らないはず…
私の心の声が、そのまま表情に表れてたんだと思う。
翔ちゃんは、そんな私の疑問を解くように答えを教えてくれた。
『それは、修が俺に電話して来たから、分かったんだよ』
「え！？」
な、なんで修くんが！？
『なんか、余計なことしちゃったみたい…って、一緒懸命に俺に説明してきて』
「な、なんで、修くんが翔ちゃんに説明するの！？」
『なんでって、修がさおちゃんにすっげー怒られたって言ってて…俺はそれとなくなんで怒られるようなことになったのか…って聞いただけなのに、修がいろいろと説明してくれたんだ』
「は…？」
―――確かに、修くんはあの後もさおに怒られてた……。
でも！
だからって！
わざわざ翔ちゃんに電話して報告しなくてもいいじゃない！
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作者名：ミイ
| 作成日時：2016年12月7日 22時
