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「…翔ちゃん…」
翔ちゃんの頬に触れようとして伸ばした手が、絡め取られるように押さえつけられてしまう…。
「…っ、翔ちゃん……！」
バスルームの壁に背中に押し付けられ、絡め取られた手に力を込められると…
その力の強さに思わず顔を歪ませてしまう。
そんな私に気がつかないみたいに、グイッと顎を持ち上げられると噛みつくみたいなキスをされた。
突然のことに目を開けると、うっすらと目を開けていた翔ちゃんと視線が合って、心臓がドキッとする、
待って、わからない…。
何が何だかわからない…。
翔ちゃんとの至近距離に、訳がわからない私はすぐに目を閉じた。
だけど、自分の体に触れた翔ちゃんの指先に、私はすぐ、また目を開けた。
「……んっ、んんっ！」
セーターの隙間から、翔ちゃんの手が入り込み、ゆっくりと肌をかけあがってくる。
えっ、――嘘でしょ？
まさか、翔ちゃん、ここで…？
なぜ、翔ちゃんの様子がおかしいのかもわからないこの状態で、バスルームで彼に抱かれるとか………。
それは、ダメ！！
そんなの、イヤ！！
自分でもわからないけど、このまま何も聞かずに黙ったまま抱かれてしまったら、何か私達の間で壊れるような気がした……
なんとか翔ちゃんに止めてもらおうと抵抗するけど、そんなのお構いなしに翔ちゃんは、グイッと力を入れて自分の体を私に引き寄せる。
いつもの翔ちゃんからは、考えられないぐらいの激しさに、私の頭は痺れるみたいにクラクラしてきた……。
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作者名：ミイ
| 作成日時：2016年12月7日 22時
