◎ もう一度あなたと◆優しい時間◆Part21【Sho.S】 (ページ9)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:383,081 hit

679. ページ9

.

お湯の中でくるりと体勢が変えられ、

私は翔ちゃんの胸に背をつけて、後ろから抱きしめられるような体勢で、翔ちゃんの前に位置した。

お互いの肌が密着するこの感触にまた体が熱くなる。

『ひょっとして、照れてるの(笑)？』

「そりゃ…、照れる…よ。」

翔ちゃんの手が私の手に触れて

自分の体を隠すように覆っていた手をゆっくりと解かれ、脇の間から翔ちゃんの両腕が滑りこんでくる。

「…っ…、」

『あ、ごめん、くすぐったかった？』

…違うよ。

翔ちゃんの指先が私に触れただけで、
私の心臓はありえないくらいドキドキと音をたてるから、それに焦っただけ…

だって、こんなに密着してたら、気付かれてしまう。

私の肩に顎を乗せた翔ちゃんがクスッと笑いながら

その唇が肩に触れて、首筋に触れて……

私の唇を捕らえようとした。

「待って、誰かに見られたら…」

『誰も見てないって』

「でも…っ、」

“ここは外だし…”そう言おうしたのに、身体の向きをクルリと回転させられて

私の言葉を翔ちゃんの唇に塞がれてしまった。

「、翔、ちゃん…！」

『シーッ…』

私の唇に指先を当てた翔ちゃんが、クスッと綺麗に笑う。

『Aは、今日ここに俺と来れて、良かった？』

「……うん」

『そっか、俺もすげえ楽しいし、幸せ…』

「私も幸せ過ぎて…怖いくらい。目が覚めたら全てが夢だったらどうしよう…って思っちゃう」

そんなことあるわけないし、あったら困るんだけど…

この数週間、いろいろあったせいか

もう何が現実で夢なのか分からなくなってくる…。

『夢じゃない…ってこと、実感させてやろうか？』

「…え？」

『顔あげてみ？』

言われるまま、翔ちゃんを見上げた私に、また一つキスを落とす彼。

その唇の温かさに、現実だという事を確実に感じながら

無意識的に彼の背中に手を回してしまう。

ダメだって、思いながら…

止めなきゃって、思いながら…

翔ちゃんを求めてる自分がいる。

『…A、』

翔ちゃんの甘い声が私の首筋に掛かり

『…そろそろ俺……限界かも』

余裕のなさそうなその声が、さらに私を刺激した。

.