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何かを考え込むみたいに眉を寄せて、
難しい顔をする翔ちゃん。
「どうしたの？」
さっきの話しの中で、翔ちゃんが不機嫌になる要素って、あったかな…？
かなり難しい顔をずっとしてるから、ちょっと心配になってくる。
『あのさぁ…』
「…う、うん」
『俺、すっげーうるさいオヤジになりそう…』
うるさい、オヤジ……？
どういう意味でだろうと、私は視線を斜め上にあげて考えた。
……あ、もしかして。
「ねぇ……それってもしかして門限とかにうるさい…お父さんってこと？」
そう聞くと、またさらに眉間にシワを寄せながら
『門限もそうだし、男なんか家に連れて来たら、ぜってー門前払いだな』
ちょっと唇を尖らせた翔ちゃんが、真面目に言うから
私はそんな翔ちゃんが可笑しくて、クスッと笑った。
「もー、勝手に想像してそんなこと言わないでよ」
『想像しただけでも……すげえムカつくんだけど』
普段、冷静に物事を考える翔ちゃんも自分の娘には口うるさい父親になるタイプのようで……
私はそんな翔ちゃんを想像しながら、また可笑しくて笑った。
『笑うなよ…』
「うん、ごめん(笑)」
『…もし、俺達の間にさぁ…』
「うん…」
『子供ができたら、やっぱり子供中心の生活になるんだろうな…』
「そうだね、たぶん、全てが子供中心に変わるだろうね(笑)」
そう言うと、また少し考えるみたいにして私に聞いてきた。
『もしも…だけど…』
「うん？」
『俺と子供……どっちが…』
「え？」
『いや、なんでもない…』
そう言った、翔ちゃんを見て私は言葉を繋げる。
「子供はもちろん大切だけど、翔ちゃんは私にとって、もっともっと大切だよ？」
『…え？』
「私にとって大切な子供の父親は、翔ちゃんでしょう？」
『う、うん』
「翔ちゃんしかいないんだよ？」
『うん…』
「その子供を授けてくれた人を2番にしたら、きっとバチが当たるよ…(笑)」
そう言うと、翔ちゃんは照れたように笑って
私は、そんな翔ちゃんを見て
ちょっとだけ、幸せ過ぎて泣きそうになった。
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作者名：ミイ
| 作成日時：2015年6月18日 0時
