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強気で言いきったはずなのに、
後ろを向いた途端
ジワリジワリと浮かんでくる涙。
「ほんとに、怖かったんだから…」
怖かった涙…というより、
翔ちゃんにバカにされて、
悔しい涙と言った方が正解かもしれない。
「ｸﾞｽｯ…、翔ちゃんなんか…
もう、知らない…、」
私が２、３回鼻をすすると。
『ごめん、悪かった』
「……」
あたしを抱え直した翔ちゃんが浴槽の中に私と一緒に体を沈めた。
浴衣なんて薄い布。
水分を含んだ布が
体にまとわりついてることで
きっと裸の状態より
体感温度が下がったのかもしれない。
熱いお湯に入った途端、体の力が抜けていくのが分かった。
そんな私の体を、しっかりお湯の中で支えて。
『さっきは、ふざけてごめん…』
返事をする代わりに翔ちゃんの腕をキュッと掴むと。
『だけど、絶対に…どんなことしても…』
そう言いながら、
翔ちゃんは私の顎を少し持ち上げると
『Aのこと死なせないし。
もし、Aが溺れたら…
俺が人工呼吸でも何でもして助けるから』
私の口元に、自分の唇を押しつける翔ちゃん
「ん、んっ…、」
本当に酸素を送り込むようなキス。
こんな状態でのキスに戸惑いながら
不思議と乱れていた呼吸も徐々に整えられて…
私は大人しくそれを受け入れた。
「…あっ、え？…」
いつの間にか翔ちゃんの手が、
少しずつ、下へ下へと場所を変え…
翔ちゃんの膝の上に
横向きに座らせられている私の身体を…
彼の片手が楽々と抱きしめて
もう片方の手は…
「んっ……？！」
浴衣の裾を割って、中に侵入しながら
肌に触れてきた。
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作者名：ミイ
| 作成日時：2015年6月18日 0時
