◎ もう一度あなたと◆優しい時間◆Part21【Sho.S】 (ページ17)

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ーShoサイド

そうだ、携帯！

携帯に連絡してみればいいんだ！

…って、俺の携帯どこ置いた？

自分のスマホが見つからなくて、バタバタしてると。

「ただいまー」

浴衣を着たAが普通に帰って来た。

『え？どこ行ってたの？』

「…なにが？」

『黙っていなくなるなよ』

「え？(笑)」

『だから、心配したんだって。起きたらAいねぇーし』

「え？覚えてないの？」

『何が…』

「大浴場に行って戻って来てもいい？って聞いたら、‘行ってらっしゃい’って言ってくれたんだけど…」

『ウソ、俺が！？』

「うん…(笑)」

やべぇ…全く覚えてない。

『あれ？だけど…大浴場入った…の？』

「え？」

『なんか、寒そうじゃない？』

そう言って、Aの手に触れると冷たくて…

「あ、うん、ちょっと寒いかも(笑)」

『風呂入ったのに？』

「大浴場、お掃除中で入れなかったの(笑)」

『そのわりに帰って来るの遅かったよな』

そう言って、Aを見ると困ったように笑って

「部屋が分かんなくなって…」

『…はい？』

「迷子になってた(笑)」

『また？(笑)』

「また？…とか、言わないでよ」

ちょっと、口を尖らせたAが照れたようなにして笑う。

『どうして、こんな建物の中で迷子になるんだよ(笑)』

「だって、同じような部屋ばかりなんだもん」

Aの方向音痴もかなりなもんだよなぁ…

そんな俺の心の声が聞こえたように

少しだけ睨むようにこちらを見上げられた。

『だから、心配してたんだよ』

「……本当？」

『心配した！めっちゃ心配した！』

そう言うと、また嬉しそうに笑うから

俺は、わざとAに体重をかけてやると慌てたように声を上げる。

「わ、重い！ちょっと！倒れるって」

『大丈夫、大丈夫(笑)』

「何が大丈夫よ」

『俺に心配させたバツ(笑)』

「…ウフフ、心配してたんだ」

『そうだよ、俺、置いて帰られたのかと思ったし』

「私、方向音痴だから一人で帰れないよ(笑)」

『確かにそのとおりだ、絶対帰れないな』

「なんか、ちょっと悔しい…」

『そう？(笑)』

笑いながらAの頭をクシャッと撫でると、

また少しふてくされたようにしながらも

嬉しそうに笑った。

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