加齢臭 ページ24
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なんか…、寒気がするというか、寒いなぁ……
「ハッ、、クシュン、クシュン」
修「なに、A寒いの？」
「うん、ちょっと…」
立て続けにくしゃみをした私に、修くんが聞いてきた。
修「そこにある俺のカバン中にパーカー入ってるだろ？」
…ん？どこだろう？
修くんのカバンをゴソゴソ探すと、グレーのパーカーが出て来た。
「パーカーってこれ？」
修「そう、それ着てな」
「うん、ありがとう」
さっそく、パーカーを羽織った私を助手席に座ってる大野さんが振り返った。
智「Aちゃん」
「はい？」
智「まだ寒いでしょ。これも貸してあげる」
そう言って、自分の首に巻いてたマフラーを外して私に渡そうとしてくれた。
「あ、いや、それは…」
智「え、なんで？」
「大野さんが風邪でもひいたら、大変ですから…」
智「ひかないよ(笑)…って、え、あ、俺のマフラー加齢臭するからイヤだとか？」
クンクン、自分のマフラーの匂いを嗅ぐ大野さん。
「…あ、えーと、そういう意味じゃなくて 笑」
智「じゃあこれ貸してあげるから首に巻いておきなよ」
「ありがとうございます。」
なんか、これ以上断る理由もみつからなくて、私は大野さんから渡されたマフラーをぐるぐるっと自分の首に巻いた。
智「どう？」
「はい、暖かいです。」
智「…いや、そうじゃなくて…笑」
「え？」
智「オヤジ臭い匂いする？」
加齢臭なんか全く感じないくらいに、マフラーからはほんのりと優しい香りがして……
「大丈夫です(笑)……ふわっとして、いい匂いがしますよ 笑」
智「良かった〜笑」
修「俺のパーカーもいい匂いするだろう？」
「……うん、修くんのパーカーは…懐かしい…匂いかな」
修くんのパーカーからは、学生の頃の私達を思い出させるような懐かしい匂いがした。
修「……懐かしい匂いね 笑」
信号待ちの車から外を見ると、学校のグランドが見えた。
ぼんやりとそこにある光景を眺めた。
そこにあるのはなんて事ない普通の日常。
部活動をしているのか、生徒達が走ったり、ボールを追いかけたりしてる。
私は、そんな風景を見ながらあの頃の自分をいろいろ思い出していた。
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作者名：ミイ
| 作成日時：2015年3月14日 0時
