妬み ページ11
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スタスタと私に向かって歩いて来る女性。
どう見ても、その女性の雰囲気は穏やかに道を訪ねて来るような感じではない。
…なに？
…この女性を怒らすようなこと
…私、した？
「あなたって、本当イラつくオンナよね？」
「え、」
あれ、この声…、ひょっとして…
「…サキさ…、」
彼女がサキさんかどうか確かめようとした途端。
バッチーーン！！
「っ、」
え？
ええーー！？
今…私、サキさんにビンタされた…？
「なんで、あなたはそんなふうに翔のことをもて遊ぶのよ！」
…もて遊ぶ？
「な、なんのこと、」
他人にビンタされたのは、生まれて初めての経験で
なんだか、自分の中でショックだったのか……頭がついていかない。
だっていきなり、こんな港の自販機の影からサキさんが現れて、ビンタまでされて、なにがなんだか全然わからない。
「ね、今なんのこと…って、私に聞いた？」
黙って、サキさんを見つめる私に
小馬鹿にしたような笑いを浮かべる彼女。
「いつも、私は関係ありません…みたいな顔して……」
「……」
「私は、弱いコですってアピールして……」
「……」
「あんたこそ、たかが一般人の分際で何様？」
「……」
「何人ものオトコをたぶらかせて、楽しい？」
「……」
「ねー、そんなことして、私に対抗してるつもり？」
「、…」
「黙ってないで、何とか答えなさいよ！！」
サキさんに叩かれた理由も、言われてる意味も。
全く、わからない私は答えようもなくて
そんな私を見る彼女の目は、かなり頭に血が上ってる…。
「あんたみたいなオンナ、本当イラつくのよね！」
今度は、私の左肩の辺りをど突くようにしてくるから、私の体は自然と後ろへと後退して行く。
ジリジリと海の方へ私を追いやるサキさんに、恐怖を感じた。
「あんたなんか、いなきゃいいのよ…」
「ちょっ、サキさん、落ちついて…、」
「いなくなってよ…」
思いっきり後ろへ突き飛ばされて、私はその拍子に足元に落ちている何かにつまずいて転んだ。
「無様な転び方……笑」
笑って私を見下ろしてるけど、その目が怖い。
また、ゆっくりと近づくサキさんに、私は座った状態で後づさりをする。
もうこれ以上逃げれないって場所まで追いつめられ、私はサキさんを見上げた…。
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作者名：ミイ
| 作成日時：2015年3月14日 0時
