イライラ Sho ページ1
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「…明日、俺仕事休みなんだけど、釣り船出せそう？」
土曜日、急遽仕事がOFFになった智くんが、しっきりなしにどこかへ電話をしてる。
俺は、マネージャーに次の休みを確認したけど
残念ながら、今のところ未定らしい……。
「翔ちゃん、なんか疲れた顔してるけど…大丈夫？」
電話を終えた智くんが話しかけて来た。
『うん、大丈夫だけど。』
疲れた…と、言うより。
俺は若干イライラしてた。
Aと焼き肉デートさえ、ままならない俺は
どう頑張っても、智くんに愛想のない返事しか返せない。
「翔ちゃん、魚食う？」
『、…食べるけど……』
「じゃあ、釣れたら連絡するからAちゃんと一緒に食べたらいいよ」
『……別に、ムリしなくていいよ』
大人気ない態度だってわかってるし、
智くんを傷つけたいわけじゃないけど……
なんか知らねーけど、イライラすんだよ、
マジで。
「ムリなんかしてないよ…」
『……』
「俺は翔ちゃんに食わせてあげたいの。
それだけだよ」
『……智くんはさぁ…』
「ん？」
『智くんは、イライラしたりすることないの？』
その質問に、智くんは、まったく考えないで答えた……
「あるよ。」
そりゃあ、あるよな…
無い方がおかしいよ。
「だから、自分の好きな釣りに行くんだよ。」
それは、わかってるんだけど……
俺が言いたいのはそうゆうことじゃなくて……
「次の休みまで、全力で仕事をして。
休みをもらったら、脇目も振らずに自分の好きなことをして過ごす。
俺は、そうやってストレスを解消してるよ
だからさ……」
『ん？』
智くんが俺の方を見て、笑った。
「翔ちゃんも、全力で仕事した後は、脇目も振らずにAちゃんとのデートを楽しんでね？」
笑って言ってきた智くんに、俺も言う。
『そうだね。…あ、魚…楽しみにしてるよ(笑)』
ソファーの定位置に座りながら
智くんは釣竿のリールを巻く真似をして
「任せて(笑)」
そう笑った後、フニャッとした笑顔で笑いだす。
俺、この笑顔に弱いんだよな…
なんか、ホッとする…って、言うか。
癒される…って、言うか。
自分の中でほんの少しだけ、イライラした気持ちが解けていく感じがした。
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作者名：ミイ
| 作成日時：2015年3月14日 0時
