◎ もう一度あなたと◆優しい時間◆ part 11【Sho.S】 (ページ9)

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昔の彼女 Sho side ページ9

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ニノ「…札幌で、なんかあったの？」

ニノがキッチンのAを気にしながら

小声で俺に聞いてきた。

『なんかって？ケンカして仲直りしたけど』

ニノ「そーゆーことじゃなくて、具体的に
何かAちゃんに言ったの？」

『言ったって言うより、
俺がいろいろ責められたんだよ』

ニノ「Aちゃんに？」

『いや、Aの幼なじみの修ってヤツに』

智「なんて、言われたの？」

チラリと俺に視線を向けて

野菜スティックをポリポリ食べる智くん。

『Aの小さい頃の夢を叶えれるのか…
って。それができないなら、
Aを傷つける前に別れろって、
偉そうな顔して言ってきたんだよ。』

ニノ「Aちゃんの小さい頃の夢って
なに？」

『まあ…いろいろ…』

Aの夢を

ニノ達に簡単に言ってもいいものか

少し考えるように視線を泳がせた。

ニノ「小さい女の子が夢見ること…ねぇ…」

ふーん…と

顎を撫でながら斜め上を見上げてる。

勘のいいニノには

きっとわかってしまったかもしれない。

ニノ「…で、翔ちゃんはその修ってヤツが言うことを黙って聞いてたの？」

『まさか！あいつの言うことなんか
誰が黙って聞くかよ。』

小さい頃から

俺はAのことを知ってる…みたいな

あいつの挑戦的な態度を思い出して

わけのわからない感情が

メラメラと湧き上がってきた。

ニノ「翔ちゃんみたいに芸能界にいる人と
Aちゃんはうまくいかないから別れろ…
とか言われた？」

『ああ、それも言われた。』

ニノ「普通の女の子が夢見ることを叶えられないんだから、別れろって言われた？」

『うん、言われた。』

ニノ「ウェディングドレスを着せてやれないならさっさと別れろって言われた？」

『そうそう、そうやって言われた！』

ニノ「やっぱり…そうなんだ。」

『……。』

あっ、ヤベェ…

俺、興奮し過ぎて

まんまとニノにハメられた。

ニノ「まあ、俺達には
よくついて回る話しだからさ」

どこか遠い目をしてそんなセリフを言うニノに

昔の彼女を思い出してるんだ…と感じた。

ニノ「Aちゃんも翔ちゃんが好きな分、
いろいろ考えてるんだよ」

『…そうかもな(笑)』

あの時以来

ニノは、彼女に一切会ってはいないと思う。

でもそれ以来

ニノは本気な恋もしていないと思う。

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