失敗 ページ18
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コンサートが終わり会場内が明るくなった。
麻衣「気のせいか嵐のみんなが、こっちを向いて、手を振ってくれましたよね！」
「…うん(笑)」
鳴海「だけど、櫻井くんは全然こっちを
見てくれなかったね(笑)」
「…そ、そう…ですか？」
鳴海先生の言葉にかなり動揺する私。
私に気づいた時の
何かを問いかけるような
翔ちゃんの目が気になったけど…
麻衣「翔くんってスタンド席の
盛り上げ係りだから、
きっとそう見えたんですよ！」
プラス思考の麻衣ちゃんのおかげで
少し気分が軽くなる。
麻衣「先輩〜、明日は休みだから
これから飲みに行きましょう？」
「…え？」
.
普通なら、一緒に飲みながら
コンサートの事をいろいろ話して
盛り上がるんだろうけど。
やっぱり、翔ちゃんのことも気になるし…
鳴海「今日は、帰った方がいいよ(笑)」
鳴海先生には
私のモヤモヤな心配事も
とっくにお見通しみたい。
麻衣「えー、帰っちゃうんですか…」
「うん、今日はなんか…
興奮しすぎて疲れたから帰るね」
ドームの出口に向かう人の波に押されながら
本当に早く帰って
熱いお風呂に入りたいとか考えていた。
「今日は、嵐のコンサートへ連れてきて
いただいてありがとうございました。」
鳴海「いやいや…俺こそ、
二人が一緒で楽しかったよ」
麻衣「じゃあ、先輩気をつけてね」
.
鳴海先生と麻衣ちゃんは同じ方向で
私とは、逆側の改札口へと行ってしまった。
ようやく乗れた電車にホッとして
その時、初めて携帯の電源を
切ったままの状態だったことに気づいた。
慌てて電源を入れると
…あ、翔ちゃんからだ。
翔ちゃんからのメールは
ー 連絡ちょうだい ー
そんな簡素な内容で…。
言葉が少ない分
翔ちゃんが不機嫌なんじゃないかって
気がしてドキドキした。
…失敗したなぁ
もっと早くに気が付いてれば良かった。
電車を降りてから電話をかけてみたけど
今度は、翔ちゃんの電話が繋がらなくて
なんだか、少し…
ほんの少し…心配になって来て
せっかくの楽しかった時間
その気持ちを継続したまま
家に帰りたかったのに
少しずつ不安になってくる。
よし、サッサとお風呂に入って
翔ちゃんが帰ってきたら
ちゃんと今日のことは説明しよう。
そんなふうに言い聞かせて、
熱めのシャワーを頭からかけると
少し緊張した身体がほぐれていった。
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作者名：ミイ
| 作成日時：2013年12月9日 15時
