◎ もう一度あなたと◆優しい時間◆ part 11【Sho.S】 (ページ2)

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赤ちゃんの香り Sho side ページ2

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『あれ？どこ行くの？』

「秋ちゃんのところに
夕飯のお裾分けを持って行こうと思って」

Aが慣れた手つきで

料理を皿に盛り付けてサランラップをした。

『俺も一緒に、行っていい？』

「え！？」

『ほら、俺…まだ赤ちゃんとご対面してないし
きちんと挨拶しておきたいなぁって』

「誰に？」

『赤ちゃん(笑)』

「じゃあ、一緒に行く？」

Aが嬉しそうに笑いながら、

手を差し伸べて来た。

ーピンポーンー

秋「は～い、えっ！」

玄関から顔を出した秋ちゃんが

俺を見て目をまん丸にしてる。

『こんばんは』

秋「こ、こんばんは。…先日はお祝いのお花を頂きまして、ありがとうございました。」

『こちらこそ、隣に住んでるのに
お祝いの言葉もかけれずにすみません。』

秋「いえ、そんな…。
綺麗なお花をただいて、感動しました。」

ぺこり頭を下げる彼女に俺も頭を下げた。

「あのね、秋ちゃん。翔ちゃんがこのちゃんを見たいんだって」

先日、生まれたAの姪っ子。

名前は「このみ」ちゃん。

みんなに好まれる女の子に育つように…と

名前を付けたらしい。

秋「あの…良かったら
抱っこしてもらえますか？」

『俺、抱っこできるかな…』

秋「大丈夫です。」

『うわぁ…すげぇ、ちいっちゃい…』

仕事で小さい子を抱っこすることはあったけど

こんな新生児を抱っこしたのは初めてで

俺の腕の中でスヤスヤ眠るこのちゃんは

まるで天使みたいに見える。

「翔ちゃん、赤ちゃん抱っこするの上手だね」

『そんなことねぇーよ(笑)』

赤ちゃん抱っこするより

Aを抱っこする方が

上手だと思うけど(笑)。

「なぁに？翔ちゃんニヤニヤしてるよ」

やべえ、俺…ニヤけ過ぎてた。

『ちょっと、Aこのちゃん抱っこして？』

「え？あ…うん、おいで～、このちゃん」

愛おしそうに優しい仕草で

このちゃんを抱っこするA。

『A、ちょっとこっち見て？』

「ん？」

どこか、Aにも似ている

このちゃんを抱っこしてる

Aをスマホでパチリと撮った。

「…撮ったの？」

『撮った(笑)』

「もう、ちゃんとポーズしてなかったよ」

『でも…ほら、ちゃんと撮れてるよ』

「あっ、ホントだ。
その写真あとで私にも送ってね？」

嬉しそうに笑うAから

赤ちゃんの優しい香りがした。

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