ついんちゃんの日常

＊ ２ * ◎ ページ26

「あの…、服はええです…っ」




イケメンさんは、なんで？と言うように顔を顰めた。




「えっと、…好きです！！」




あ…やべ、直球すぎた。


でもまぁ、ええや。いつかは知ってもらわなあかんもん。




下を向いたまま、勢いで言ってもうたから、顔も上げられへんし、逃げ出すのも不可能。



周りにお客さんがいなかったのと、店員さんが運良くスタッフルームに入っててくれたのが不幸中の幸い。



それでしかも、ぎゃははは って笑ってる隣の男の人。




「…えと、ごめんなさいっ！！」




持ってた服は隣の男の人に押し付けて、パタッて、なんか落としたけど、そんなのも気に出来ひんくらい、全力で逃げた。




…ばか、俺、恥ずいって…！




きっともう会わへんけど、どうせ同じ大阪住み。あぁなんか、それだけで緊張する。




「りゅーせい…。」




隣の男の人が、名前呼んでたのを思い出して、小さく呟いてみる。



…流れ星かな、それか、違う漢字かな。




頬に手を当ててみたら、熱くて。




「うわ俺…乙女か、」




絶対次会ったら気まずい確定なのに、



…また会いたいな、なんて、俺、女でもないのに。





男に惚れてしもうたわ

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