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おにぎりだけじゃなんなので、お吸い物も作ってみると、なかなかの量になった。
「……多くないか？」
「うん。これから何振りか鍛刀しようと思ってて」
私が若いせいか優秀なせいかは知らないが、政府からの資材の供給はかなり多い。
刀装を作ってもかなり余りが出るから、いっそ鍛刀してしまおうと思った。
「二人とも、出来たおにぎりをお皿に並べててもらえるかな？出来れば種類別で」
「……わかった」
「わかりました。あの、が、頑張ってください」
「うん。行ってきます」
鍛刀部屋までの廊下を歩きながら考える。
ここはもう太刀とか狙ったほうがいいんだろうか。
一応講義で習ったレシピは覚えてる。
依頼札と手伝い札を精霊に渡し、多めの資材を使って鍛刀する。
一瞬の後には二本の太刀が出来上がり、私の前に並んだ。
突然、引き戸が開いて、まんばが現れる。
「あれ、まんば。どうした？」
「……あんたが心配になった。鍛刀や顕現は霊力の消耗が大きいだろう」
「……ありがとう。五虎退は？」
「ああ見えてしっかりしてるから大丈夫だ」
まんばが来てくれたことでなんとなく安心する。
とりあえず手前の太刀を顕現させる。
刀に関しては詳しくないので、この刀がなんという名前なのかすらわからない。ただ美しいってことしか。
「三日月宗近。打ち除けが多い故、三日月と呼ばれる。よろしくたのむ」
……これは美しいわけだ。
「三日月……さん？」
「呼び捨てで構わん」
「……三日月。まさか貴方が来てくれるとは。……よろしく」
「ああ、宜しく。主」
柔らかく細められた瞳の中に、三日月が浮かんで見えた。
「……三日月、嫌いな食べ物はあるか？」
「嫌いになるほど物を食べなかったのでな」
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