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「ただいまー」
結局お好み焼きを食べたあとは、食材だけ買って本丸に帰った。
「おかえりなさい！」
今剣が飛び込んできて、後ろに倒れそうになったところを光忠に支えられた。
「今剣、昼餉はどうだった？」
「やまんばぎり、りょうりじょうずなんですよ！」
ちょうどひょこっと顔を出したまんばに笑いかける。
「ただいま」
「……おかえり。昼餉は少し早めに食べた。短刀達がせがんだからな」
「へぇ、何作ったの？」
ただのお茶漬けだ、とはずかしそうにつぶやくまんばは耳が少し赤かった。可愛い。
「主、今日は随分と楽しかったようだな。……良きかな良きかな」
朗らかに笑う三日月に私も笑う。
「あるじさま、おやつにしましょう！」
「はいはい、そういうと思ったよ」
私は買ってきたものが入ったレジ袋を掲げた。
「鳴狐と五虎退ー、おやつにするよー！」
「鳴狐も五虎退どのもすぐに参りますよーあるじどのー！」
大声で呼びかけると奥からお供の狐の元気な声が聞こえてきた。
私はフライパンを出して、油を敷いた。
「きょうのおやつはなんですかー？」
「クレープだよ」
今剣の頭を撫でると、彼は猫のように目を細めた。
「くれーぷ？それは甘味か？」
「うん。おやつだから甘くしようかな。でもベーコンとかを入れるのもアリだよ」
ホットケーキミックスと卵と牛乳を混ぜて、フライパンに流し入れる。
生地が全体に広がるようにして、フライパンを回した。
「おもしろいですねー！」
今剣がはしゃいでいる中、まんば、光忠、三日月の３人は黙ってフライパンを見ている。
「……いや、何か言ってよ。怖いわ」
ちょうど素をすべて使い切って振り返ると、３人はパッと顔を上げて私を見た。
「いや、つい見入ってしまったなぁ」
「うん。主は手際がいいからね」
「……さすがだな」
三人から急に褒めちぎられて顔が熱くなるのを感じる。
「……はは、ありがとう」
「おお、顔が赤いぞ主。おぬしも照れることがあるのだな」
よきかな、と三日月が笑った。
……ますます顔が熱くなった。
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