今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:18,769 hit
小｜中｜大
19 ページ21
「この羽織はどうだろう？」
「ああ、好きな、いい色だ。……貴方の髪の色とお揃いだな」
深い藍に銀の糸が織り込まれた羽織を渡すと、彼女はまたそんなことを言う。
「ふふ、ありがとう。君の髪も綺麗だけどね」
お返しにそう言って髪に指を通すと、僅かに目が見開かれた。
意外にも耐性はそんなにないらしい。
「……さすが伊達男」
「君に言われたくないな……主、それは男性用じゃないのかな」
主が手に取った袴を見て呟いた。
どう見たって男性用だ。
「うん。男物がいいんだ」
「確かに良く似合うだろうけど、せっかくならもっと女の子っぽい格好もしてみればいいのに」
「動きにくいし、肩がこる」
「君ねぇ……あ、ちょっと向こうを見てきていいかい？」
「ああ。じゃあ……11時にこの店の外で」
主に頷いて、僕は隣の雑貨屋に向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
