【名前変換オリジナル】先生こーりゃくっ！！2

68話 ページ21

「心愛ちゃんは、成瀬くんと付き合ってるんだよね……？」

窺うように聞いた春原さんに、心愛は完璧な笑顔で首を振った。

「最近別れたの」
「……えっ！？」

心愛は桃色の唇の両端を上げた。

「私はまだ好きなんだけどね。なんか結城が私のこと好きじゃない感じで、悲しくて……こっちから振っちゃった」

悪女だ。
私は天井を仰いだ。

「ええ！？もったいない！！一楽の観賞用美男美女カップルが！｣
「なんて？」

私は少し笑った。

「一楽からすると成瀬氏は藤咲氏にゾッコンって感じでしたけどねぇ」
「実は違ったの」

しおらしく言う心愛に呆れてものも言えずにいると、一楽さんは私を見た。

「伊吹氏の好きな人は？」

どうしよう。本当のことを言おうか。
私は少し迷った末に口を開いた。

「深淵先生」

一楽さんは一瞬戸惑ったような顔をした。

「……あー、それじゃさっき、一楽ガチで不快なことしました？」
「ううん。別に不快じゃないよ」

一楽さんはね。
私はちらりと春原さんに目をやった。
油断すると言葉が口をついて出てしまう。

……教えたんだから、もう二度と先生に近づかないでね、って。

まさに少女漫画の悪役みたいな台詞だ。

「いやー……にしても意外っすわ」
「何が？」
「伊吹氏の好きな人、雨宮氏かと思ってましたわ、完全に」

私はむせた。

「雨宮氏って、優璃？」
「会話があまりにも恋人で、正直推してたんすけど、まあ伊吹氏と深淵先生のカプも推せるんでご安心を｣
「なんて？？」

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