74話 ページ27
私は目の前で俯いている彼女をまじまじと見つめた。
「意外と卑屈だな」
「えっ！？なんすか、どういう意味！？」
「機会逃したら勝てるもんも勝てないだろ」
早く戻りなよ、ともう一度言うと一楽さんは笑った。
「あは、じゃあやっぱ伊吹氏もチャンス捕まえに行くんすよね？｣
「えっ？」
「えっ！？」
一楽さんは混乱したように言った。
「深淵先生に会いに行くんじゃないんすか？？」
「え、そんなつもりは……」
「ええ……じゃあマジでただの散歩？」
頷くと、彼女は困惑したように呟いた。
「え、あ、あの、じゃあ余計なお世話かもしんないけど……深淵先生、今晩の消灯時刻まで砂浜で見回りしてるらしいっす」
私は目を細めた。
「どこで知ったの？」
「……え？」
そのまま彼女を見つめていると、彼女は挙動不審に目線をさまよわせ、どもりながら言った。
「あ、そ、その、先生たちが、はなして、たから」
「……なんで急にそんなどもるの」
「だって伊吹氏がスクールカーストトップの怖い陽キャみたいな顔するから……」
どんな顔だ。
「そ、それで伊吹氏、部屋には戻らないんすか？」
「？今の話の流れで部屋には戻らないでしょ。普通に砂浜行くよ」
だから一人で戻りなさい、と半笑いで背中を押すと、一楽さんはふにゃっとわらった。
……こんな顔するんだ。
ちょっと心の距離が縮まったような気がした。気の所為かもしれないけれど。
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みゆ - 忘れた頃に戻ってきます。の言葉を待ち続けてました！最高です🥲素敵な作品でいつも読ませてもらってます。これからも応援してます！ (2022年8月12日 21時) (
レス) @page31 id: df78362649 (このIDを非表示/違反報告)
Niko(プロフ) - 3年ほど前から主さんの作品が好きで、久しぶりに開いたら更新されててびっくりしました...！ずっと応援してます！ (2022年6月19日 18時) (レス) id: bff3de95f7 (このIDを非表示/違反報告)
ステラ(プロフ) - 最高すぎます！！！一気読みしちゃいました笑 (2022年6月5日 22時) (レス) @page30 id: c6594e1224 (このIDを非表示/違反報告)
まなぶ - やばい....最高です....絶賛今自分先生に恋してる身なので、気持ちがわかりすぎてえぐいです....続きがすごくみたいです！更新待ってます！！ (2022年4月10日 23時) (レス) id: be5b892ffb (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ - っっっ〜〜！最高っです！久々の更新が嬉しすぎて「えっ！」って言っちゃいました！これからも応援してます！ (2022年4月4日 23時) (レス) @page30 id: 26f7606c1b (このIDを非表示/違反報告)
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