上辺だけなんかじゃないよ (ym×in) (ページ46)

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伊野尾side

｢ごめ、ごめん山田、、
お前、好きな子、い、いたのに、
おれ、なんかとき、キスなんてしちゃって、、｣

山｢大丈夫ですよ！｣
俺そーゆーのじゃなくて、、、と
言おうとする山田の言葉を遮って俺は言う。

｢っだからっ！！俺が男だから、
こんな地味だから、山田は平気だよってことでしよ？？、、

お、俺は平気なんかじゃない、
お前とは、、山田とは、違うんだよ

山田は俺と関わらない方がいい、

それが、山田のためだよ、｣

情けない涙がぼろぼろ溢れてきて
俺の頬を濡らしていく。

やっとの思いでそう言うと

無理やり山田の腕を振りほどいて
俺は山田の家を飛び出した。

_______________

結構遠くまで行って振り向くけどそこには山田の姿なんてあるはずもなくて、宛もなく走ったからここがどこだかわかんなくって、

｢っふ、、っく、、やま、やまだぁ、、

っ、すき。大好きだよぉ、、っ、｣

お前は俺のことただの先輩って思ってるけど
俺はそんなに清らかじゃないから、

山田にはいい人生を歩んでほしいから、、

俺とは離れた方がいい、、

ザアザア降りしきる土砂降りの雨が俺の体を濡らしていく、、

｢せっかくお風呂入れさせてもらったのにな、｣

ははっ、濡れちゃったよ、、と
俺のかわいた笑い声が響く、

それと同時にふと目に付いた俺の服装、

｢っあ、山田の、、じゃ、ジャージ、｣

返すの忘れてた、、

すんっと袖口を臭うとふわっと香る山田の匂い

それは優しくてどこか暖かくて、、
俺の大好きな匂い、

俺はもうどうにも出来なかった。

｢っはぁ、、うぅ、、っふ、、やまだ、、
やまだぁ、、、やま、だ、、っ、｣

降りしきる雨の中山田の匂いに包まれて
今までひめてきた思いを誰もいないのをいいことにぶちまける、

暗い暗い中、降りしきる雨の中、
激しく雨に打たれながらおれはずっと、、、

ずぅっと泣き続けた。