上辺だけなんかじゃないよ (ym×in) (ページ42)

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伊野尾side

しまった、、やらかした。

いまはリビング。驚いたような山田と目が合う

雨でびしょびしょになった俺は山田に
お風呂に無理やり入らされた。
たったそれだけのことでも動揺してたから、
カツラかぶるなんて思いっきり忘れてた、、

お風呂場でもそう。
山田ってこんなシャンプー使ってんのかなとかここの浴槽に入ってんだよね

なんて考え出したらキリがなくて
だんだんと恥ずかしくなってきたから
早めにお風呂からあがってきた。

内心ビクビクしてるけど、なるべく平静を装って驚いた？、と聞く

余裕なんてぶっこいてふふふとか笑ったりしてるけど、

内心は山田になんか言われちゃったらどうしようとか考えてるし、
そうやって考え出すとキリがなくなって
ぐるぐるやな事考えて、、
視界がぼやけてくる。

こんなんで泣くなんて子供じゃないんだからと溢れそうになる涙を必死でこらえてると

くいっと顔をあげられて、いつの間にか近づいたのか目の前には山田の顔、

｢っ、ちかっ、、｣と言うけど
んー、とかなんとか言いながら俺のそばから
一向に離れてくれない山田。

俺をじっと見る澄んだ瞳に耐えられなくなって
視線を右にずらす、、

その時、やっと山田が口を開いた。

山｢先輩は、かわいいです。
しっかり自信もってください、
おれ、もさもさの先輩も、ふわふわの先輩も
どっちも好きですよ！｣

カツラだろうがなんだろうが俺は先輩の中身にまず惹かれて仲良くなったんですから！
と言いながら爽やかにニコッと笑う山田。

｢っあ、ふ、ありが、と｣
その言葉は俺が1番欲しかった言葉。

光たちにもたくさん励ましてもらったけど、
好きな人だとこんなに嬉しいんだね、、

涙なんて流したくもないのに山田に嫌われなかった安心感で胸がいっぱいで、、

｢ごめ、山田、、っ、泣いたりなんかして、｣

そう言ってる間にも
取り留めもなく溢れてくる涙。

山｢もー、先輩！泣かないでくださいよ笑
ほらほら笑って！！
俺も含めて皆先輩のこと大好きですよ！｣

そう言いながら俺の頬を撫でる山田の
優しさにまた俺は溺れていく、、

そんな山田には好きな人がいて、
でも俺は山田が好きで。
これはどうしたって変えられないけど

今くらいは、せめて俺を見てほしい、
今日だけ、今日だけだから。甘えさせてほしい

わがままな俺の頼みを今日だけは許して、、