上辺だけなんかじゃないよ (ym×in) (ページ39)

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伊野尾side

今は放課後、誰もいない教室で
俺は日直の仕事をしていた。

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ちねんにアドバイスをもらって考えてみるとは言ったものの、
なかなか思いつかないから
流行りの質問箱とか言うので調べてみるけど

彼を家に呼ぶ！！とか
さりげなくボディータッチとか何とか、

山田が近くにいるだけで照れちゃう俺には
ハードルが高すぎるから早々に諦めた。

そうこうしてるうちにもうすぐ1ヶ月たつ。

そしてこの１ヶ月の間で
俺らの間に新しいことが増えた。

それはあの9人で行動することが増えたってこと

例えばお昼ご飯は9人で食べるし
帰る時もだいたい一緒に帰るし。

薮と山田は部活があったり知念とかみんなそれぞれ色々あるからなかなか全員では帰れないけど個々の仲はとても良くなった。

俺は基本ちねんとか大ちゃんとかと帰ってるから山田とは帰れてない。

それに話すこともあんまし出来てないし、、

うぅー、、。こんなんじゃアプローチも
クソもないよね、、と落ち込む俺、

でもお昼のおかげで山田に毎日会えるから
まぁいいけど、

相変わらず席は離れてるけど
ふと山田を見るとぱちっと山田と目が合うんだ

しばらく見つめあってその後ふっと笑う山田はやっぱりかっこよくて、
そんな少しのことなのに俺はやっぱり照れちゃって、、

こんなんじゃ、山田にアタックするなんて程遠いなぁなんて思っちゃうのはいつもの事。

今日もなんにも進展なかったなあなんて思いながら俺は係の仕事を進めていく。

同じ係の女子は
『じゃあ、飯尾くん後はよろしくー』
とかなんとか言いながら友達らしき子と男の子達と騒ぎながら帰って言った。

俺を待つと言ったちねんと大ちゃんには
断りを入れて、先に帰ってもらった。

なんだか天気悪そうだし、と思ったけど案の定今はザンザンぶり

もうそろそろ帰らなきゃな

係の仕事を終えて立ち上がった途端に
傘を忘れたことに気づいたマヌケな俺

｢とりあえずこれより酷くならないうちに帰らなきゃな、、｣

カバンを方に引っ掛けて急いで靴箱へと走る

靴箱はもう人通りが少なくて、
ほとんどの部活が雨のために早く帰ったということを物語っている

｢はぁ、止む気配ないし。｣
相変わらず叩きつけるように降る雨は俺の心をどんどん沈めていく

｢しょーがない。｣
走るか、と覚悟を決めて走り出そうとした時、

先輩、と

誰かに声をかけられた