上辺だけなんかじゃないよ (ym×in) (ページ27)

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山田side

知｢♪～｣

最近やけにちねんがご機嫌だ。
今だって鼻歌を歌いながら伊野尾先輩？？スマホに入れてる先輩の写真を眺めてる。

めちゃくちゃにやけてんぞ顔、笑

裕｢ちぃちゃんどーしたのかね。｣
さすがの裕翔くんも困り顔、、

｢わっかんない、、笑けどなんか嬉しそうだからいいじゃんかぁ、、俺なんか先輩不足で死にそう。｣

そうなのだ。俺はあれから先輩に一度も会えてないのである、
なのにちねんは見たとかいうし、圭人も裕翔くんも。、、みんな俺がいない時に見てさぁ。

｢ずるすぎるぅぅぅ、、、｣

俺も会いたい、とずるずると机に突っ伏す俺、
そんな俺を見て裕翔くんは笑う。

裕｢でも山ちゃん元気だして！今日はサッカーだよ！体育！！｣

｢まじ！？！？先輩に会えないのはきついけどサッカーは頑張る！！！｣

ちょっとモチベーションが上がった俺は
サッカーの時間の体力温存のために
午前の2時間を寝て過ごした、

______________________________

｢うぉりゃーーーーー！！！、いけー！！！｣

そして待ちに待ったこの時間。
やっぱりサッカーやってる時はすごく楽しい。

はしゃぐ俺の横で

知｢朝ずっと寝てたくせによく体動くよねほんと。バケモノみたい笑｣
僕は見る方が楽しいのに、、

とかなんとか言ってるちねん。

｢俺は先輩に会えない気持ちをサッカーにぶつけてんの～｣
だからこそ体動かすんだってば、と
俺は言う。

ここぞとばかりに相手のボールを奪い、
ゴール向かって一直線。

応援の声とか歓声とか、どこか遠くに聞こえる感覚は俺が集中してるってこと。

『山田！！いけー！！！』
『そこだ！！シュート！！！』

仲間からの声が聞こえる、、

全神経を足に集中させてボールを思いっきり蹴る。

『わああああああーーーー！！！！』
『キャーーーー！！！！』

今日1番の歓声と共に俺のボールはゴールネットを揺らした。

__________

『やったーーー！！！勝ったぜ！』
『さすが山田！！お前すげえよ！！』

駆け寄ってきたクラスメイトにあっという間に囲まれる。

この瞬間が1番楽しいし嬉しい、

知｢っあ、せんぱい、、、｣

そんな俺のそばでぽつりと聞こえたちねんの声
めっちゃ小さい声だけど俺の耳には届く

先輩！？！？

思わずバッと顔を上に向けると、
窓からこちらを見て微笑んでる先輩とばっちり目が合った