僕達の距離 in×ym

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伊野尾side









「それ、」

「ん？」

「何買ったの？」

「あー、ぬいぐるみ！」









可愛いご当地のクマが居てさ〜と嬉しそうに話す山田は相変わらず両手にホットココアを持ったまま。









さすがにずっと頭撫でてるわけにはいかないからそっと手を離したけど、隠しきれてない真っ赤な耳がちらりと除く度に また触れたいなんて変なことを考えてしまう。









最近なんだかおかしい。








いつもの俺らしくもない。









普段はどっちかって言うとへらへらしてて、掴みどころが分からないっていわれるし俺自身も人を翻弄させる方が好きだからなんだか悔しくて･･･









むにゅ･･･









「いたっ！」









思わず手を伸ばして山田のすべすべの頬をつかんで横に引き伸ばす。









「んん〜、いひゃいよいのおひゃん！」









･･･まぁ伸びるわ伸びるわ。









「･･･ふふっ、」

「ひゃにわらっへんの･･･」

「ごめ笑 なんか餅みたいで･･･」









されるがままみたいな山田がなんだか可愛くて、思わず吹き出すと

いつの間にかフグみたいな顔をした山田が不満そうに俺の手首をそっと掴む。









「うわっ！！つめたっ！」

「でしょ？」









してやったり〜と笑ってる山田の手が思ったよりも冷たくて。









まあ山田が低体温だってのは知ってるけど、もう車に入ってから結構たってるのにひんやりとした手は俺の体の熱をじんわりと奪っていく。









.









「やまだ。」




「･･･ん、なに？ ･････、え？」









こっから先は俺の悪戯心ってことにしとく。









頬に当てた手を滑らせてパラパラ暴れる小さな手を取り指を絡める。









なんで急にこんなことしたかって言われても分からないけど









俯いて耳を真っ赤にする山田に胸の奥がざわざわと音をたてていた。

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