天使が住まう家 (ページ14)

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しばらくするとフィリックスが家に帰ってきた。

すぐにこちらに駆け寄ってきて手を広げたので自分からそこへ飛び込んだ。

「大丈夫？怪我はない？
怖かったね可哀想に」

フィリックスの胸元に顔を埋めると、ふわりといつもの甘い香水の香りがした。
頭をそっと撫でられて先ほどまで強張っていた体が自然と力が抜けていく。

「ヒョン下でイエニが待ってるからよろしくね」

「うん…」

どこかしょんぼりした様子のチャンビンは返事をすると肩を落としてトボトボと部屋を出ていった。

「フィリックスあの人仕事仲間なんだよね…？
その…拳銃持ってたけど…」

恐る恐る顔を見上げて問いかけるとフィリックスはクスクスと笑った。

「護身用のモデルガンだよ。
僕たちクラブとかバーの経営に携わってて、中にはガラの悪いお客さんとかもいるからね」

「モデルガン…フィリックスも持ち歩いてるの？」

「たまに持つくらいだよ。
重たくて肩が凝っちゃうからね」

そう言ってイタズラっぽい笑みを浮かべた。