９１話 ページ5
この日の玉鳳の平定は、地形を利用した巧みな作戦により、さっさと終わった。
賁様の怪我は既に治っていて、槍さばきにいつものキレが戻っていた。
そして私達が戦いから戻り、それぞれの天幕で休んだり会話で盛り上がっていた所に中々立派な馬車がやって来た。
護衛が入り口前にビシッと並び、中から数名の男達が出て来る。文官だ。
いきなりの訪問に玉鳳の隊員は少し戸惑いながらも、立ち上がって様子を見る。
賁様も無言で天幕から顔を出し、文官の姿を確認すると外に出て来た。
それから察したように文官達の前に出る。
玉鳳の隊員も賁様の後ろに四角形に並ぶ。
文官は「うむ。」と頷いてから、護衛の差し出した木簡を読み始める。
文官「此度の山陽大攻略戦とこの地の平定での戦果より、玉鳳隊 王賁を千人将に昇格させる！」
待ち侘びていたこの言葉、聞いた瞬間に隊員全員が喜びの声を上げる。
隊長の昇格は隊員全員の喜び。
飛信隊に武功を挙げられたこともあり、嬉しさが増す。
簡単な式が終わると、文官達はまだ別の場所に用事があるらしく、去っていってしまった。
それを見届けるとすぐに番陽副長が、
番「やりましたな賁様！！！じきに日が暮れる、祝杯の準備じゃ！」
とても嬉しそうにしている。当の本人は「フッ…」と聞こえるか聞こえないか程度の声で分かるか分からないかぐらい微妙に一瞬、笑った。
勿論私は見逃していない。その笑顔(?)を見られたことが何故か余計に嬉しくて、堪らなかった。
祝杯に向けて隊員達は酒やいつもより豪華な食事の準備をしたり、重い鎧を脱いで夜の格好に着替えた。
王賁の言葉で乾杯し、祝の宴が始まる。宴と言っても玉鳳のは楽華や飛信隊などとは違い、ある程度節度のあるものだが…。
私も隊員と楽しく話し、酒は弱いので控えたが、美味しく食事をした。
賁様は酒が好きではないから形としてはすぐにお開きとなったが、まだ殆どの隊員が飲み食いしている。
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高木 - 主が瀕死状態のシーン見てみたい続き待ってます！ (2021年10月15日 16時) (
レス) @page13 id: 1b00569172 (このIDを非表示/違反報告)
中村千尋(プロフ) - 更新頑張って下さい!!とても続きが気になります (2019年5月19日 21時) (レス) id: a991a170a0 (このIDを非表示/違反報告)
そら - すごく面白いです。更新待ってます。 (2019年4月21日 7時) (レス) id: d084693c8e (このIDを非表示/違反報告)
XiuLu-涙(プロフ) - いまでも更新待ってます。 (2019年2月25日 18時) (レス) id: 3abc175966 (このIDを非表示/違反報告)
狭間電源 - きめ細かな文で、かつ面白いので更新、待ってます。 (2018年9月29日 14時) (レス) id: c89b62a7b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：末利 | 作成日時：2017年2月18日 10時
